やって来たのは!?
と、そのとき。スタッフルームにスーツ姿の男性が登場。「皆さん、私はこのスーパーの本部社員です」
それを聞いた先輩パートは手のひらを返したように態度を変え、作り笑いで彼にあいさつ。しかしその本部社員は私を見て頭を下げ、こう言いました。「お母様、ご無沙汰しております。今、社長は店長と話しているところでして……」
「お、お母様?」と目を白黒させる先輩パート。本部社員は、私に口を開く間も与えずに「おや、ご存じない? こちらの女性は社長のお母様ですよ」と答えました。
そうなのです。私は店長に、自分が社長の母親であることは隠しておくようお願いしていました。皆さんとは、社長の母としてじゃなく、普通の新人パートとして仲良くなりたかったからです。
「私が自分で稼ぎたいって言ったら、娘がここで働かないか? とすすめてくれまして。でももう、言われた通り辞めますよ」
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悪事が露呈
そこに娘が店長を連れて入ってきて、先輩パートの前に立ちはだかったのです。「私はこのスーパーチェーンの社長です。あなた、自分の言動に自覚はおありですか?」
「私は何も……」と、真っ青になった先輩パートはしどろもどろで後ずさりをしていましたが、娘は容赦なく、彼女に解雇宣言をしました。
先輩パートは、「解雇!? ちょっとお待ちを! 私はお母様と仲良くやっていましたよ! 無視や罪のなすりつけなんてしていない!」と、自爆気味の言い訳をスタート。しかし娘は冷静に続けたのです。
「解雇理由は、そのことだけはありません。母から目撃証言を聞き、本日は調査のためこちらの店舗に来たのです。先程、防犯カメラの映像をチェックしてはっきりしました。バッチリ映っていましたよ、あなたが内引きをしている姿がね。昨日だけではなく、連日している常習犯のようですね」