最後まで好きに生きるわ…「高級老人ホーム」入居を決断した83歳女性が“自力で”費用捻出できたワケ【FPが解説】

リースバックは、住宅を売却後、賃貸として住み続けるというサービスを指します。では、リースバックにはどのようなメリットがあり、またどのような場面で活用すれば良いのでしょうか。FP Officeの梅田雅美FPが、事例を交えて解説します。

そもそも「リースバック」とは

皆さんは「リースバック」というサービスをご存じですか?

リースバックは、たとえば自宅を売ってその売却代金代を受け取りながら、売却したあとの家については、家賃を払いながら引き続き自分が住む、というようなイメージです。「まとまった現金を受け取りながら住み続けることができる」という仕組みになります。

国土交通省:住宅のリースバックに関するガイドブックから引用

人生100年時代を背景に、長期で組んだローンの返済が難しくなる。また、ローンは返したが生活資金が足りなくなる。といったケースが増えているなか、リースバックを活用することにより、まとまったお金を受け取り、ローンの返済や生活費を確保することができます。また、賃貸料は発生するものの、引っ越しをする必要もなく、住み慣れた家で生活を続けることが可能です。

また、事業の運転資金が必要といった場合などに利用することも可能です。その後、事業の利益が出たところで自宅を買い戻せば、所有権が戻ります。

リースバックに似たようなものにリバースモーゲージがありますが、所有権の有無や、お金を一括で受け取る、分割で受け取る。など大きな違いがあります。

さらに、リバースモーゲージは「融資」であるため、対象物件や年齢、資金の用途などに制限がかかる場合があります。必要な融資が受けられないこともあるので注意が必要です。

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リースバックのメリット・デメリット

リースバックには多くのメリットがある一方、当然ですがデメリットも存在します。

リースバックのメリット

  • 一括で売却代金を受け取ることができる
  • 引っ越す必要がない
  • 敷金・礼金がない場合が多い
  • 固定資産税がかからない
  • 将来的に買い戻しも可能

リースバックのデメリット

  • 所有権が無くなる
  • 一般的に売却価格は安くなる
  • 賃料が発生する
  • 更新時に家賃が値上がりする可能性

このようなメリット・デメリットがあることを把握したうえで、失敗を避けるためにも複数の不動産会社に見積もりを依頼し、比較検討することが大切です。

また、ひとりで進めるのではなく、親族や信頼できる専門家に意見を聞き、契約内容をしっかりと確認するようにしてください。

ここまでリースバックとはどのようなものか、という部分を簡単に説明しました。ここからは、実際にリースバックを上手に活用したA子さん(83歳)の事例を紹介します。もしご自身や身内の方で似たような環境におかれている人がいたら、ぜひ参考にしてみてください。