お金の入り口「収入」について

結婚後の家計について考えてみましょう。結婚後はお金の入り口「収入」が変化します。今まではSさん1人の給与がすべての収入でしたが、これから共働きをするとお金の入り口が2つになり、2人の収入を一つの家計で管理することになります。

共働き世帯では収入が多くなる分、家計管理が甘くなりがちです。まずお金の入り口「給与明細」を確認することから始めましょう。

「支給額」・・・基本給、時間外労働手当、住宅手当、家族手当、通勤費など
「控除額」・・・健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税など

「総支給額」「総控除額」にだけ目が行きがちですが、一つ一つの項目を確認することで支給額のうち残業代である「時間外労働手当」はいくらなのか、などと意識することができます。例えば残業代は仕事の量などで変動するので、必ずもらえる固定収入として考えないことが大切です。

「控除額」の健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険の社会保険料の金額も確認しましょう。あわせて、これらの社会保険の内容も確認しておくと、民間の保険の効率的な見直しにつながります。

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夫婦のお金管理は最初が大事


貯金するカップル
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夫婦の中には、お互いの収入を見せることなく、夫が家賃と交通費、妻が食費と光熱費など、家計の負担する費目を決め、収入の一部を家計の財布に入れるというスタイルの家計もあります。

「自分の稼いだお金は、自分で好きに使いたい」という気持ちも分かりますが、そうするとお互いの基本給や手当がいくらなのかが分からないため、今後Sさんが働き方を検討するときに、いくら働いたら夫の「家族手当」が支給されなくなるのか、老後の年金は夫婦でどのくらいもらえるのか分からず、将来のライフプランが立てづらくなります。

お二人が生活をスタートする時からお金の入り口をオープンにし、お互いが自由に使いたい「おこづかい」の金額を話し合うなど、お金の使い方についてお互いの希望、考え方などを話し、一緒に考えて決めていくことがとても大切です。