20~30代から準備するなら、毎月の積み立てはいくら必要?

標準的な年金の受給開始年齢である65歳の時に、2000万円の金融資産を準備すると仮定した場合、いくらぐらいのお金を積み立てる必要があるのでしょうか?ここでは年齢毎に必要金額を試算してみます。

1.準備開始を20歳から5歳毎とし、65歳・2000万円をゴールとする
2.準備の方法は以下の3パターン

A)銀行の普通預金・金利は0.001%
B)日本の公的年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の平均リターンである年率4%で運用する
C)日本を除く先進国の株式に連動する指数(MSCI-コクサイ)の、過去30年の平均リターンである年率10%で運用する

65歳で2000万円を準備するために、毎月いくらの資金を積み立てるかを上記の3パターンで試算をしてみます。なお現実ではありえませんが、運用率は途中で変わらないと仮定しています。

<65歳までに2000万円を達成するために必要な毎月の積立額>

筆者作成

上記の結果は65歳で2000万円を準備するために、毎月積み立てる金額です。早くからスタートした方が月々の積立額は少なくなり、また運用率が高い方が効率的に準備できます。

ただし、投資信託や株式などのリスク性資産はマーケットの状況や社会情勢の影響により資産価値が絶えず上下し、元本保証はありません。またマーケットはいつも順調だとは限らず、価格が暴落する可能性が常にあります。

近年の大暴落のひとつが2008年に発生したリーマンショックですが、このときは世界中の株式市場が影響を受け、欧米や日本の株価は半年で50%の値下がりとなりました。なおリーマンショックの影響で値下がりした株価がリーマンショック前の水準に戻るまで、欧米で3~4年、日本で5年程度の時間を要しました。

このように投資には資産価値が下落するリスクが必ずあるということを忘れずにいましょう。

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節約ばかりにならない家計管理の考え方のコツ


ポイント
【画像出典元】「stock.adobe.com/yumeyume」

老後に2000万円近くの資金が必要ということではありますが、老後資金を準備することだけに必死になるのは面白くありません。節約ばかりにならずに資金を準備するためにはどうしたら良いでしょうか?まずは金融資産を増やす方法を整理しましょう。

1.収入を増やす
2.支出を減らす
3.資産運用を行う

金融資産を増やす方法に魔法はなく、この3つを組み合わせることに尽きます。

収入をいきなり増やすことは難しいので、まずは日頃の支出を整理することから始めましょう。その上で固定費を中心に削れるところは削るということをオススメします。なお節約だけを意識するとなかなか続かないことが多いため、使う時は使うというメリハリを大事にしましょう。また固定費などの見直しで浮いたお金を資産運用に回し、将来への準備を進めましょう。

ちなみに資産運用のオススメの方法は投資信託を利用した「長期・分散・積み立て」です。個人投資家の武器である時間を有効に使いながら、投資先を分散し、毎月同じ金額を積み立てることでリスクを軽減しながら資産運用を行いましょう。