旬の花を合わせて

ライラックは短めで楽しむのも素敵です。

この花あしらいではブルーのアスチルベとサポナリアを合わせました。

アスチルベは花のシルエットがライラックと似ていますので、合わせやすい花材です。また、サポナリアのように小花が広がるタイプの花は、全体にまんべんなく散らしたくなりますが、あえて花の固まりのまま生けると今っぽい仕上がりに。きっちりした形に作りこまないのがコツです。

バラもライラックも好相性の組み合わせです。

こちらでは白いバラを使いましたが、パステルカラーのバラとの組み合わせも素敵ですよ。バラを合わせるときの花器選びは、あえてカジュアルなタイプを選んでみるのがおすすめです。豪華だけど、さりげなく。そんな花あしらいを楽しんでみてください。

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一枝の楽しみかた

ライラックを長めのまま、グラミネ(穂ものの総称)と合わせて、色付きガラスの瓶にあしらいました。

エレガントなライラックにはワイルドなグラミネもよく似あいます。花の本数が少ない場合には口が狭い花器を使うと、とても生けやすくなります。少し背丈を高く生けたい場合は、なるべく重みのある花器や、水の重さで安定するような花器を選ぶと安定します。

生ける途中で折れてしまったり、お手入れで短くなったりしたときは、小さな花器に分けて飾ってみるのはいかがでしょうか。

ここでは形が少しずつ違う3つの一輪挿しに生けました。こんなときのために、小さな花器をいくつか持っておくと、花をあしらう楽しみが広がりますね。

もちろん、一輪挿しでなくてもグラスや空き瓶なども選び方ひとつで、素敵な花器に変身します。

一輪挿しのひとつに利休草をあしらいました。ライラックに限らず、花器が3つあるからといって、全てに花を生けなくても大丈夫。たとえば3つのうち、1つだけは草ものにしてみると、雰囲気がガラリと変わって景色がうまれます。

5月であれば庭やベランダのハゴロモジャスミンなどを利休草の代わりにするのもよいかもしれません。つる性の植物はシルエットに動きがあるので、一枝そえるのにおすすめです。

写真のようにトレイなどに花器を集めて飾るとステージ効果で、ちょっとした特別感が手軽に演出できます。

ライラックはお手入れのときに、水に浸かってしまったり、枝が込み入ってしまったりすることを避けるために花が付いた小枝をカットすることがあります。また、お手入れの途中で花の先端が折れてしまうことも。

そんなときには、花を捨てずに小さな器にあしらいましょう。こちらでは小さなケーキトレイに落ちた花と一緒に載せました。

花のあしらい方に絶対はありません。ご自身ならではの楽しみ方を見つけて、初夏を告げるライラックを最後の一枝まで楽しみつくしましょう。