元ジャニーズ事務所副社長の滝沢秀明氏が創業した「TOBE」が2024年6月2日、同社とファンをめぐるトラブル防止のためのガイドラインを策定したと発表した。この中には、SNSに関する内容も含まれる。一定の条件を満たすことを前提に「TOBEおよびアーティスト個人が発信する画像や動画」に関して、ファン個人のSNSなどに投稿できるとしている。
「誹謗中傷・迷惑行為」や「違法グッズ」、「チケット不正売買」など具体的な7点
TOBE公式サイトは2日、「応援してくださる皆様へ」としてガイドラインを策定したことを報告した。
注意事項の主な内容は「誹謗中傷・迷惑行為について」「所属アーティストやマネージャー、関係者を騙った詐欺について」「偽のイベントについて」「所属アーティストの違法グッズに関して」「チケット不正売買について」「ご鑑賞マナーについて」「SNSガイドラインについて」の7点で、具体的なケースに沿って紹介している。
昨今の情勢に合わせたトラブル対応についても、具体的に案内している。
「誹謗中傷・迷惑行為について」では、これまでにも「SNS等において、所属アーティストを誹謗中傷する投稿を複数確認しております」として、警察や専門家などの関係機関と連携し、法的措置を検討するとした。
「所属アーティストの名前を名乗るメールが届いた」「所属アーティストに会えると謳った偽のイベントへの参加を勧誘し、参加費等の支払いを要求する」などの事例については「実際には存在しない」と否定し、トラブルに巻き込まれないよう注意してほしいとした。
無許可で制作されたグッズについての取り扱いに関してもアナウンスしている。
「街頭やWEBサービス(SNS含む)において、弊社及び所属アーティストの許諾なしに、所属アーティストの画像やロゴなどを使ったグッズ」の製作・販売が行われているとして、こうしたグッズは「有料・無料に関わらず肖像権のほか、著作権・複製権などの権利侵害にあたります」と説明。オフィシャルストアやイベント会場での公式グッズの販売は行っていないとして、「違法グッズ」を購入しないよう呼びかけた。
「チケットの不正売買について」では、「いかなる理由でも不正取引チケットでのご入場はお断りいたします」と説明。「万が一、不正取引の事実が発覚した場合、警察への通報、対象となるファンクラブからの強制退会処分などを含めた然るべき対応をとらせていただきます」と厳しい対応をとる姿勢を示した。
TOBEでは、5月24日にガイドラインの策定に先立ち、公式リセールサービスの導入に関するお知らせを行っていた。こうした取り組みについては、「公式リセールサービスのご案内はリセールを実施する公演ページにてご確認ください」としており、公演ごとに案内するとしている。
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画像・動画のSNS・動画配信サイトでの投稿「TOBEは著作権侵害を主張いたしません」
TOBEでは、SNSに関するガイドラインも設けている。
このガイドラインによると、商業的利用、営利目的での利用や悪意ある加工・改変・編集をしないことなどを前提に、ファンクラブ会員向け画像、動画等の有料コンテンツなどを除く「TOBEおよびアーティスト個人が発信する画像や動画」に関して、ファン個人のSNSやYouTube等動画配信サイトに投稿することができる。
旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)は、所属タレントらの画像の取り扱いが厳しいことで有名だった。雑誌などの表紙でも切り抜きのシルエットが使われたりと、インターネット上に所属タレントらの写真が出回る機会は少なかった。
旧ジャニーズ事務所のタレントファンらは、公式画像のみならず公式グッズの写真の取り扱いにも苦心してきた。公式グッズの購入に、自身でモザイクをかけたりするファンもいるほどだ。
こうしたアナウンスについて、SNSでは、「滝沢社長、TOBE運営のみなさま 適切な対応をありがとうございます! きちんと守られていると感じられて幸せです」「ガイドライン良かった、信頼に値する事務所になっていってくれそうで少しホッとしてる」とTOBEの取り組みを支持するファンの声が目立つ。