中華料理チェーン「日高屋」を中心に複数のブランドを運営するハイデイ日高(本社・さいたま市)。売上高は2022年3月~23年2月は約381億円、23年3月~24年2月は約487億円と伸びている。
ハイデイ日高は、関東地方以外では営業していない。こうした地域店体の外食チェーンは、他にもある。
配送コスト削減のメリットも
2024年5月24日発表のハイデイ日高の46期事業報告書によると、同社は東京204店、埼玉113店、神奈川75店、千葉55店、栃木1店、茨城6店、群馬1店を営業している。関東地方だけだ。主軸の「日高屋」は、「中華そば」390円をはじめ、低価格で勝負している。
事業報告書では出店計画について「首都圏に加えて、北関東や国内未開拓マーケットである隣接県に出店を拡大、収益の増強を図る」としている。その理由を、ハイデイ日高に取材した。
広報によると、食材の調達や野菜のカット、麺やスープの製造、食材の物流という3機能を兼ね備えた「セントラルキッチン」が埼玉県の行田工場にある。ここが中核となり、地域を限定して「ドミナント戦略」を取っているとの説明だ。これは「特定の地域に集中して店舗を出店し、その地域での競争優位性を確保する戦略」を指す。
ドミナント戦略の一環として関東近郊での流通網を持っているため、配送コストが削減でき、結果的に日高屋での安値な商品提供が維持されているとの話だ。
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スガキヤ、資さんうどんも
ハイデイ日高のように地域を限定して出店している外食チェーンは、他にもある。大阪・京都・愛知・静岡と中京・関西に出店する「スガキヤ」、九州と大阪・兵庫・岡山・山口などで展開する「資さんうどん」が、それだ。東京・池袋を中心とした中華料理の「福しん」も、同様の戦略と言える。
食品関係者の話では、これらの中にもドミナント戦略をとっている企業があるという。