更年期からの女性ホルモンとの付き合い方!閉経後に困らないために今からできる対策は?

これから更年期を迎える人もまっただ中の人も、今までとは違う心と体の変化に戸惑っていることでしょう。なぜ更年期障害につながるような不調や症状が引き起こされるのか、女性ホルモンの基本的なメカニズムを知り、備えましょう。

女性を支える2つの女性ホルモン

私たちの体には約100種類以上のホルモンが存在し、全身のさまざまな機能をコントロールしています。女性ホルモンもその一つで、数あるホルモンのなかでも「命を守るホルモン」と呼ばれるほど重要な存在です。

というのも、女性の体には命を育み、出産するという役割があるからです。妊娠・出産はときに命の危険もあるほど、非常に大きな負担がかかります。そこで、女性の体を守るために女性ホルモンが働いているのです。

女性ホルモンに守られているのは、子宮や卵巣、乳房など妊娠・出産にかかわる臓器だけではありません。脳や心臓、血管、骨、皮膚など、あらゆる臓器が女性ホルモンに守られています。女性ホルモンが十分に分泌されている間は、男性よりも心臓発作や脳卒中を起こす危険が少ないのはこのためです。

このように女性の体を守ってくれる女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの種類があります。

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更年期に影響するのはエストロゲンの分泌量

エストロゲンとプロゲステロンはどちらも卵巣から分泌されており、基本的には妊娠を助ける働きがあります。

女性は思春期になると初経を迎え、月経が始まるようになりますが、この月経の周期をつくっているがエストロゲンとプロゲステロンです。

エストロゲンは卵巣内の卵胞から分泌され、子宮内膜を厚くして妊娠に備えるほか、脳や血管、臓器、皮膚など全身に作用します。楽しく、明るい気分にさせるのもこのホルモンの特徴です。

一方、プロゲステロンは排卵後の黄体(排卵後の卵胞が変化したもの)から分泌され、子宮内膜をやわらかくして妊娠しやすい状態に整える働きがあります。そして、妊娠しなかった場合は子宮内膜を剝がして月経を起こさせます。月経前に、敏感で内向的な、やや沈んだ気分になったり、体調が乱れたりするのはプロゲステロンの影響です。

このエストロゲンとプロゲステロンが生涯ずっと順調に分泌されれば、更年期障害が起こる心配もないのですが、だいたい40歳前後になると、この2つの女性ホルモンの分泌が徐々に減少します。まずプロゲステロンの分泌が悪くなり、次にエストロゲンが減少します。更年期の症状には、エストロゲンの減少が深く影響しています。