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●数々のテレビ番組で取り上げられた人気店『スパイスカレー43』。レモンやカリカリ梅を使った斬新すぎるカレーを食べてきた。

 スパイスカレーの聖地として知られる大阪。市内には個性豊かなカレー屋が点在しています。大阪メトロ・阿波座(あわざ)駅から徒歩6分の場所にある『スパイスカレー43』は「マツコの知らない世界」「ラヴィット」など、さまざまなテレビで取り上げられている有名店です。


オフィス街で一際目立つカラフルな店構え

 西日本最大級のカレーイベント「カレーEXPO」で賞を取ったり、日本のカレー文化に貢献した店に与えられる「JAPANESE CURRY AWARDS 2021」に選ばれるなど、数々の受賞歴がある実力店なんです。


気分が上がるポップな店内

 扉を開けて一歩足を踏み入れると、オーナーがアジアで集めたという雑貨がズラリ。塗装や装飾も自ら手掛けたそうで、まるで海外にいるみたいにわくわくします。

酸味が弾ける個性派カレー「瀬戸内レモン&カリカリ梅」


「瀬戸内レモン&カリカリ梅」1200円、「スパイス煮たまご」150円

 カレーは全部で5種類あります。何度も通っている筆者のおすすめは「瀬戸内レモンスプラッシュ」と「カリカリ梅スプラッシュ」の合いがけ。プラス150円で「スパイス煮たまご」をトッピングしました。

 ライスの上に黄色く染まった煮たまごとカラフルな野菜がのっていて、横には2種類のカレーが盛られています。

 まずはカレーEXPOで3年連続グランプリに輝いた「瀬戸内レモンスプラッシュ」から。

お客さんの投票でグランプリに選ばれた「瀬戸内レモンスプラッシュ」


お客さんの投票でグランプリに選ばれた個性派カレー

 こちらはパクチーがのっているので、苦手な人は注文時に断りましょう。よくかき混ぜてライスと一緒に頬張ると、レモンピールのほのかな苦味と、果肉の爽やかな酸味が味覚を刺激し、スパイスの風味がじわじわと押し寄せてきます。


JA尾道市因島地区農産物品評会で8年連続最優秀賞のレモンを使用 [食楽web]

 ベースはトマトとチキンのキーマカレー。鶏と野菜の優しい旨味に柑橘の風味とスパイスの香りが合わさって、強烈な個性を放っています。スパイスの風味はありますが、辛さはほんのりピリッと来るくらい。刺激が足りないときは、HOTスパイスを持ってきてもらえるのでお好みで調整しましょう。

リピーター続出!「カリカリ梅スプラッシュ」


リピーター続出のやみつきカレー

「カリカリ梅スプラッシュ」は、紀州南高梅のカリカリ梅とカツオの削り節が入った和風カレー。千切りの大葉と天かすがのっています。口に入れた瞬間、梅の酸味とカツオの旨味、大葉の爽やかな風味が広がり、まるでおにぎりを食べているかのよう。あとからスパイスの香りが追いかけてきて「あ、やっぱりカレーを食べているんだ」と再確認しました。


香りが引き立つホールスパイス

 食べ進めていると、カレーの中に黒いツブツブしたものが入っていました。気になって店員さんに聞いてみると、「香ばしさを出すために、フェネグリークというスパイスを煎って入れているんです」とのこと。スプーン一杯に酸味や苦味、旨味、香ばしさなど、いろいろな味が詰まっていて、飽きのこないおいしさです。

脇を固めるハイレベルなトッピング


半熟加減が絶妙

 カレーはもちろんですが、お皿を彩るトッピングも秀逸。「スパイス煮たまご」はシナモンやクローブ、ターメリックなど13種類のスパイスを煮出した液に、半熟卵を漬け込んでいます。スプーンで割ると中からとろとろの黄身が流れ出て、カレーがまろやかで濃厚な味わいになります。

 ヤングコーンとレンコンのピクルスは、酸味が効きつつも野菜本来の味が楽しめる優しい味。カレーの合間に食べると、味にアクセントを加えてくれます。

まとめ

『スパイスカレー43』は、インテリアもカレーもトッピングも、どこを取っても他とはかぶらない独創的なカレー屋さんでした。レモンやカリカリ梅というカレーとは合わなさそうな食材を、ここまで溶け込ませることができるとは……何度食べても衝撃を受けるおいしさです。

(撮影・文◎安達春香)

●SHOP INFO
スパイスカレー43
住:大阪府大阪市西区靭本町2-5-2 横井第7ビル 1F
営:木金 11:30〜14:30(L.O.14:15)、土日 11:30〜15:00(L.O.14:30)
休:月・火・水曜
https://www.instagram.com/spicecurry43/