5. 壁紙(クロス)の種類と選び方|素材・デザイン・機能性

壁紙を張り替える際には、場所や好みに合わせて適切なものを選びましょう。

壁紙選びで重要な「素材・デザイン・機能性」の3つの項目におけるポイントを紹介します。

①素材による違い

壁紙の主な素材とそれぞれの特徴を以下表にまとめました。

壁紙の素材

特徴

ビニールクロス

(塩化ビニル樹脂系)

・安価で耐久性が高く、お手入れがしやすいため広く普及している

・色や柄のバリエーションも豊富

プラスチック系

・ポリエチレンやポリプロピレンなどが原料

・汚れや水に強く、傷がつきにくい

無機質系

・漆喰やガラスなどが原料

・独特の質感やデザインで個性的な空間づくりが可能

紙系

・和紙や輸入紙で作られている

・和室など和の柔らかい雰囲気を持たせたい場所に最適

繊維系

・植物繊維や化学繊維などが原料

・水に強く、濡れても破れにくい

木質系

・主に銘木シートとコルクシート

・木材特有のぬくもりがある

それぞれの特徴や機能を見て、場所や目的に合ったものを選びましょう。

②デザインによる違い

壁紙のデザインは幅広く、多種多様なものが存在します。

代表的なデザインとその特徴について以下にまとめましたので、参考にしてください。

壁紙のデザイン

特徴

無地

・シンプルで飽きがこないベーシックなデザイン

・あらゆる場所に採用しやすく、柄入りよりも低コスト

木目調

・木材の自然な温かみがポイント

・落ち着いた印象がある

レンガ

・レトロな雰囲気

・アクセントウォールにも使いやすい

コンクリート

・無機質でクールな印象

・ミニマルな空間づくりや、モダンな雰囲気を出したい場所に最適

花柄

・華やかさや明るさ、ポップな雰囲気を演出

・トイレや子供部屋にも使いやすい

塗り壁風

・本物の塗り壁のような凹凸のあるデザイン

・個性を演出しやすい

ストライプ柄

・おしゃれでモダンな印象

・縦のストライプは縦長効果で天井を高く見せられる

上記以外にも、さまざまな柄や加工の壁紙があるため、好みに合ったデザインを探してみましょう。

③機能性による違い

壁紙にも機能性を備えたものが多数あります。代表的な機能は以下の通りです。

消臭

耐久(汚れや傷に強い)

抗アレルギー・抗ウイルス

カビ防止

結露防止(調湿性)

はっ水

蓄光(溜め込んだ光を暗闇で発光)

マグネット対応

省エネ(光の反射による照明効率のアップなど)

落書きOK(チョークやペンなどで書いて消すことができる)

さまざまな機能を備えた壁紙が登場しているため、ライフスタイルや用途に合ったものを探してみましょう。

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6. 【部屋別】壁紙(クロス)おすすめタイプとリフォーム事例

ここからは、部屋別の壁紙のおすすめや張り替えポイントについて、リフォーム事例と合わせて紹介します。

部屋の印象を左右する壁紙選びで失敗しないために、ぜひ参考にしてください。

① 全体の壁紙(クロス)リフォーム事例

住まい全体の壁紙を張り替える場合は、統一感を意識しましょう。汚れや破損が気になる箇所だけ壁紙を新しくすると費用は節約できますが、既存の壁の古さが目立ってしまう可能性があります。

また、部分的にリフォームした後で、全体を張り替えようとすると施工費が追加でかかります。室内の壁紙をまとめて張り替えることで、全体的な色合いや質感を統一できる上、結果的に金額も安く収まるでしょう。

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出典:https://www.8044.co.jp/gallery/868

白い壁紙で全体を統一しつつ、部屋ごとに明るい色合いのアクセントクロスを採用。モダンな空間を演出しています。

出典:https://freshhouse.co.jp/case/26886/

天井との取り合いにも配慮して、同一品番の壁紙で統一。まとまった空間に仕上がりました。

②リビングの壁紙(クロス)リフォーム事例

リビングをくつろげる空間にするためには、オフホワイトやベージュなど暖色系といった落ち着いた色の壁紙がおすすめです。原色のような主張の強い色を使うと落ち着かない空間になる可能性があります。

また、家具やインテリアとのバランスを考慮して、デザイン性の高いタイプを選ぶ方法も有用です。

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出典:https://www.8044.co.jp/gallery/401

凹凸の施された黒いデザインクロスと白い壁、そして真っ赤な家具のコントラストがおしゃれなリビングを構築しています。

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出典:https://freshhouse.co.jp/case/27318/

レンガタイルで、モダンなブルックリンスタイルの空間が完成。

③洋室の壁紙(クロス)リフォーム事例

洋室の壁紙は、使う人の好みや用途やシーンに合った機能性で選ぶと良いでしょう。例えば、子ども部屋は汚れやキズに強く、掃除がしやすい壁紙や、アレルギーやカビを防ぎやすいタイプがおすすめです。

寝室の壁紙はリラックスできるように、グリーン系やブラウン系、グレー系などの淡い色合いが向いています。赤や黄色といった原色系は刺激が強すぎて不向きでしょう。また、真っ白な壁紙は落ち着きよりも緊張を感じる場合があります。

出典:https://freshhouse.co.jp/case/21514/

変色した壁紙の交換時に、落ち着いた色合いのアクセントクロスを取り入れ落ち着いた寝室に。

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出典:https://freshhouse.co.jp/case/14258/

お孫さんが落書きできるように、簡単に消せる黒板タイプの壁紙を設置した事例です。

④和室の壁紙(クロス)リフォーム事例

和室の壁紙は、隣り合う部屋や家全体の雰囲気との調和が大切です。周囲とのバランスが取れていないと悪目立ちしてしまい、せっかくの和室が落ち着きのない空間になってしまいます。

畳やサッシ、家具の色合いに合わせて壁紙を考えるとスムーズに決まります。また、アクセントクロスに格子柄のような個性的な壁紙を持ってきてメリハリを付けることも可能です。

統一感と個性のバランスが難しい場合は、専門業者に相談しながら考えてみましょう。

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/458

LDKに続く和室に、琉球畳とアクセントクロスを施し、メリハリのある空間が完成しました。

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出典:https://freshhouse.co.jp/case/23611/

床の間のアーチ壁とアクセントクロスが印象的な和室。シルバーグレーの畳が、クールでモダンな印象を与えています。

⑤トイレの壁紙(クロス)リフォーム事例

トイレの壁紙は、白やベージュ、グレーなど淡い色合いが一般的です。ただ、トイレは面積が小さい分、派手な色や柄ものを取り入れやすいため、大きな柄や北欧デザインなど個性的な壁紙を持ってきても良いでしょう。

また、トイレは汚れやすいため、消臭効果や防菌・防カビ効果といった機能性で選ぶのもおすすめです。

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出典:https://freshhouse.co.jp/case/25487/

淡いブルーのクロスで統一したトイレは、ホテルのような洗練された雰囲気です。

出典:https://www.reform-guide.jp/topics/case/nerima-h-toilet/

施主が自ら用意した個性的な壁紙を採用し、モダンでおしゃれなトイレが完成しました。

⑥キッチンの壁紙(クロス)リフォーム事例

キッチンは汚れや臭いが発生するため、掃除がしやすい壁紙や消臭効果のあるものがおすすめです。

暗めの色やレンガ調など模様の入ったタイプは、汚れが目立ちにくいでしょう。また、消臭機能が付いていれば、生ごみや調理時の臭いを抑える効果が期待できます。

色柄を決める際には、リビング・ダイニングとのつながりも考える必要があります。同じ色やトーンは取り入れやすいですが、多少思い切った色や柄物を「1箇所貼り」でアクセントに使う方法も良いでしょう。

出典:https://freshhouse.co.jp/case/6270/

モザイクタイル風の壁紙を一面に施し、海外の街角を彷彿させるおしゃれなスペースに仕上がっています。

出典:https://freshhouse.co.jp/case/21600/

英語ロゴクロスをアクセントとして用いて、POPなキッチンが完成しました。