フローリング、クッションフロア、フロアタイル……

「床材」にはたくさん種類があるので、キッチンには何を選べばいいのか悩んでしまいますよね。

水や油、調味料などが飛び散ることが多いキッチンの床は、デザインだけではなく、汚れへの強さや手入れのしやすさなどを考える必要があります。

本記事ではキッチンにおすすめしたい床材と、費用相場や種類ごとの特徴を説明します。

キッチンリフォームをお考えの方はぜひ、参考にしてください。

1.キッチン床の張り替えリフォームの費用相場

リフォームを考えたときに気になるのが、費用面だと思います。

まずは、キッチンの床を張り替えるときの、費用相場を見てみましょう。

床の張り替えのみ:10万円前後

床の張り替え+基礎の補修:20万円前後

キッチン部分のみの床は2〜4畳と施工範囲が狭いため、施工費用も合わせて10万円前後が目安です。

ただし費用は選ぶ床材によっても大きく変わるので、次の表を参考にしてください。

種類 費用相場(4畳)
無垢フローリング 13万円~
複合フローリング 5万円~
クッションフロア 3万円~
フロアタイル 5万円~
コルクタイル 8万円~
タイル 12万円~

クッションフロアは3万円〜、無垢フローリングは13万円〜と、費用に大きな差があります。予算がある程度決まっている方は、予算から床材の候補を絞ると良いでしょう。

基本的に床のリフォームは張り替えや重ね張りで対応できますが、床材の下地や床材を支える構造部分(根太)が腐っている場合は、基礎からの補修が必要です。

床がぶよぶよしていたり凹んでいたり、何かしらの症状がある場合は追加で補修費用もかかるものと考えておきましょう。

補修範囲や程度によっても変わりますが、10万前後が目安です。

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2.キッチンに適した床材の種類とそれぞれの特徴 

費用相場がわかったので、続けて床材ごとの特徴を説明します。

まずは対応表を見てみましょう。

費用 耐久性 耐水性 滑りにくさ デザインの豊富さ
無垢フローリング
複合フローリング
クッションフロア
フロアタイル
コルクタイル
タイル

表を見てわかるように、全てに優れている床材はなく、優れている部分があればそうではない部分もあることがわかります。

具体的にどのような特徴があるのか、以下に見ていきましょう。

無垢フローリング|やさしい肌ざわりが心地良い

メリット

肌触りがいい

リビングやダイニングのテイストに合わせやすい

軽い傷や凹みは自分で補修できる

デメリット

水分や油分に弱く、染みになりやすい

価格が高い

無垢材を切り出した「無垢フローリング」は、やさしい肌ざわりと温かな質感が人気の床材です。

調理器具や食器を落として傷や凹みができてしまったときも、凹んだ部分に濡らした雑巾を当ててスチームアイロンをかければ、簡単に補修できます。

リビングやダイニングを無垢フローリングにしている方は、キッチン床も無垢フローリングで合わせれば、部屋に統一感がうまれるでしょう。

しかし、無垢材は水や油に弱く、染みができやすい繊細さがデメリット。

キッチンマットを敷いたり撥水塗装を施したり、汚れない工夫はもちろんのこと、床拭きなどの小まめな手入れも必要です。

そのため、小さな傷や染みが気になる方や、掃除が苦手な方には無垢フローリングは適さない素材と言えます。反対に「少々の傷や汚れも味」だと捉えられる方は、無垢フローリングを検討しても良いでしょう。

複合フローリング|予算に合わせて選びやすい

メリット

予算に合わせた商品を選べる

シートフローリング:耐水性がある

突き板、挽板フローリング:肌触りがいい

デメリット

深い傷が付くと基盤が見えてしまうことがある

突き板、挽板フローリング:水分と油分に弱く、染みになりやすい

「複合フローリング」は、集成材の上に薄くスライスした天然木や、木目を印刷した化粧シートを張り合わせてできた床材です。

大きく分けて、

突き板フローリング

挽板フローリング

シートフローリング

の3種類あり、それぞれ仕上げ方法と価格が異なります。

「突き板フローリング」と「挽き板フローリング」の表面は天然木ですが、「シートフローリング」は化粧シートになっています。

同じ複合フローリングでも、仕上げ材が天然木か化粧シートなのかによって、特徴が大きく異なります。

たとえば突き板、挽き板の複合フローリングは無垢材に近いため、やわらかな肌ざわりであるものの、水に強くありません。対応表も無垢フローリングを参考にしたほうが良いでしょう。

一方でシートフローリングは、耐水性の良さと手入れのしやすさが魅力ですが、木の風合いを楽しめません。

そして3種類ともに共通しているのが、物を落として傷ができてしまったときに基材が見えてしまう可能性があり、修復は難しいことです。

剥がれてしまった部分は、板ごとの張り替えが必要になります。

グレードにもよりますが、「シートフローリング < 挽板フローリング < 突き板フローリング」の順に費用は高くなるので、予算や好みから選びましょう。

クッションフロア|コストパフォーマンスの良さが魅力

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/196

メリット

水分と油分に強く、掃除がしやすい

デザインラインナップが豊富

歩いたときに柔らかい

他の床材と比べて安価

デメリット

物を落としたときに傷が付きやすい

熱に弱い

経年劣化による変色や剝がれが出やすい

シートの間から水分が入り込んでカビが生えることがある

「クッションフロア」は、塩化ビニル素材でできた、クッション性のあるシート床材です。

耐水性に優れているので、水や油、調味料が飛び散ったときにもサッと水拭きをすれば、簡単に汚れを落とせる掃除のしやすさが魅力。

さらにフローリングやタイル、木目、柄などのデザインが豊富で安価に取り入られることから、キッチンのみならず、いろいろな場所の床材に選ばれています。

しかしビニル素材でできているので熱に弱く、物を落とすとシートが破れてしまうことも。経年劣化でシートの端が剥がれてきたり、シートの間から入り込んだ水分によって床下にカビが発生したりする心配もあるので、耐久性は高くありません。

クッションフロアを選ぶのであれば、10年を目安に張り替えを考えておきましょう。

フロアタイル|デザインラインナップが豊富 

メリット

水分と油分に強く、掃除がしやすい

デザインラインナップが豊富

大理石調やタイル調が本物の質感に近い

耐久性に優れている

デメリット

継ぎ目が多く、間から水分や汚れが入りやすい

「フロアタイル」は、クッションフロアと同じ塩化ビニル素材で作られた床材です。

素材が同じなので、特徴も似ています。

クッションフロアと違うのは、フロアタイルのほうが硬く、衝撃に強い部分です。

素材の硬さからひんやりとしたイメージがあるので、本物の大理石やタイルの質感もリアルに表現できます。

またフロアタイルは、一枚一枚をつなぎ合わせていくため、部分的に傷がついたり剥がれても、一枚だけ交換することができることが嬉しいポイントです。

万能なように思えるフロアタイルですが、このつなぎ目の多さが、水回りに採用するときの欠点ともなり得ます。つなぎ目部分に水や油、調味料を落としてしまうと、タイルの下まで染み込む心配があるためです。

水分の侵入を防ぐには施工時に継ぎ目をコーキングしておくか、濡れたときにすぐに拭きとることを意識しましょう。

コルクタイル|汚れにくく乾きやすい 

出典:http://cube-renovation.co.jp/works/3658/%E4%B8%AD%E5%8F%A4%E7%89%A9%E4%BB%B6%E3%82%92%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%EF%BC%88%E6%9F%8F%E5%B8%82%E9%85%92%E4%BA%95%E6%A0%B9u%E6%A7%98%E9%82%B8%EF%BC%89/

メリット

耐久性、断熱性、調質性に優れている

肌触りがいい

デメリット

デザインラインナップが少ない

傷がつきやすく、タイルごとの交換が必要

継ぎ目が多く、間から水分や汚れが入りやすい

「コルクタイル」は文字通り、コルクを薄くスライスしてタイル状にした床材です。

耐水性、断熱性、調湿性に優れているため、機能性だけで考えると水回りにうってつけ。しっとりとした肌ざわりの良さも相まって、子育て世帯を中心に人気を集めています。

しかし、コルクタイルを採用するときに注意したいのが、耐久性の低さです。

物を落として傷ができてしまうと補修ができないので、タイルごとの張り替えが必要です。

また、デザインラインナップもまだ少なく、茶色系のものがほとんど。

色の濃淡を変えて柄のように見せることはできますが、他の素材と比べるとどうしてもデザイン性は劣ってしまいます。

デザイン性よりも、機能性や肌ざわりを重視する方におすすめの床材です。

タイル|高級感が演出できる

メリット

耐水性が高く、掃除がしやすい

耐久性に優れ、衝撃に強い

色やデザインが豊富

キッチンに高級感が出る

デメリット

冬は冷えやすい

目地の汚れが目立ちやすい

物を落としたとき割れやすい

素材によっては滑りやすい

タイルは耐水性や耐久性に優れるため、水回りにはよく取り入れられます。

キッチンの床にタイルを採用すると高級感が出るため、キッチンをワンランク上のグレードにしようと思っている方はおすすめです。

ただし、冬は冷えやすいため、キッチンマットを敷いたり温かい素材のスリッパを履くなどの対策が必要です。

また素材によっては滑りやすいため、表面に凹凸のある滑りにくいタイルを選ぶと良いでしょう。

キッチンの床はタイルでおしゃれに!リフォームの注意点と対策