三重県紀宝町内にある道の駅「ウミガメ公園」が、保護しているカメの行動について、X上でちょっとショッキングな表現を使ったとして、話題になっている。
「中の人」の飼育員に、書き込みへの思いを聞いた。
「昼ドラ感ある例えが面白い」「頑張って餌あげてるのに浮気なんて」
「かめたちは飼育員さんのことを認識してなついたりしますか?」。可愛いカメのイラスト付きで、質問用紙にこう手書きされている。
これは、飼育員にあてた客からの素朴な疑問だ。
ウミガメ公園では、質問や感想について飼育員が答え、その回答を館内の質問コーナーに掲示したり、Xに投稿したりしている。
今回の質問については、飼育員から手書きでこんな説明があった。
「飼育員というより、飼育員の制服と同じ色の服を着た人はみんなエサを運んでくる人だと思っているようで、飼育員以外にもカメが反応することがあります」
そして、次のような本音を飼育員が漏らしたのだ。
「そのような光景を目撃すると浮気現場に遭遇したような気持になります」
この質問コーナーの回答写真は、2024年7月1日に公式Xで投稿された。「浮気現場に遭遇」という表現が意表を突いたようで、なんと34万件以上の「いいね」がつく反響を集めている。
「昼ドラ感ある例えが面白い」
「頑張って餌あげてるのに浮気なんてねぇ」
「同じ色の服着て行ったら近づいてくれるのかな笑」
ウミガメ公園では、寄せられる返信にも反応しており、「飼育員がランダムな色の服で毎日ごはんを与えたら顔も覚えてくれると思います!」と説明もしていた。
この回答をした担当飼育員の伊藤柊也(しゅうや)さん(25)は3日、「浮気現場に遭遇したような気持ち」について、J-CASTニュースの取材にこう明かした。
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「同じ緑色の服を着た客にも寄ってくるので、思わずジェラシーが(笑)」
「エサをあげると、カメは、水をガシャガシャさせて寄ってきます。飼育員は、緑色の制服を着ており、それを覚えていますので、同じ色の服を着たお客様があげても、同様に寄ってきます。同じ行動を見ますと、思わずジェラシーが湧いてしまいますね(笑)。もちろんジョークでして、本当に悲しんでいるわけではありませんよ」
客は、黒か紺色っぽい服が多く、エサをくれないことを覚えているという。もし飼育員が紺色の服を着ていれば、カメはその色に反応するが、服を毎回変えれば、カメは、顔の形も認識できるので、飼育員の顔を覚えてくれるのではないかとした。
人の声や音については、カメの種類によっては覚えると、飼育員の伊藤さんは言う。
「カメの飼い主さんからは、車のエンジン音でそわそわするという話を聞いたことがあります。陸生のゾウガメは、賢いですので、ありうると思います。他の水族館では、ご飯をあげるときに、水槽に振動を伝える機械を設置し、条件反射でご飯を覚えてもらっていました」
ウミガメ公園の館内にある質問コーナーには、飼育員の回答を載せた質問用紙が15枚ほどボード上に掲示され、定期的に更新されて人気を集めている。
「以前も、X上でバズった回答がありました。『どうして、この世にカメがいるんですか?』との質問に、『カメがいる世界に、人間が生まれたんですよ』と答えたところ、こちらもたくさん『いいね』を押してくれましたね」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)