最下位に低迷する西武で、希望の光だ。

ドラフト1位左腕の武内夏暉が2024年7月4日のソフトバンク戦(みずほPayPay)で、8回4安打無失点の好投を見せ、開幕から無傷の5連勝。新人左腕の開幕5連勝は杉山賢人(西武)以来31年ぶりの快挙となった。

強打者が並ぶソフトバンク打線をほんろう

9試合登板で防御率1.10と驚異的な安定感を誇る。その秘訣は、抜群の制球力と変化球の質だ。

スライダー、チェンジアップ、カーブを操り、145キロ前後の直球は手元で伸びて打者が球速以上の体感速度を感じる。

4日の試合でも、リーグトップの打率をマークする近藤健介から、2三振を奪うなど強打者が並ぶソフトバンク打線をほんろうした。

9試合登板で5勝0敗、防御率1.10と驚異的な安定感を誇る。

首位を独走するソフトバンクに3試合登板で2勝0敗、防御率0.38。地元・福岡で初登板となった5月19日のソフトバンク戦は、完封を目前にした9回無死一塁で左太腿裏がつって降板。

チームは逆転サヨナラ負けを喫したが、1か月半の月日を抑えた再戦でもきっちり抑えた。

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昨秋ドラフトは「大学生投手の豊作年」だったけれど

昨秋(2023年秋)のドラフトは「大学生投手の豊作年」と呼ばれ、大卒の8投手が1位で指名された。

だが、プロの世界は厳しい。草加勝(中日)、下村海翔(阪神)、西舘昂汰(ヤクルト)は故障で出遅れ、常広羽也斗(広島)もファームでの調整が続いている。

古謝樹(楽天)は4試合登板で1勝3敗、防御率3.75、細野晴希(日本ハム)は2試合登板で0勝0敗、防御率3.86。

西舘勇陽(巨人)は開幕からセットアッパーとして26試合登板で1勝2敗1セーブ19ホールド、防御率3.57と奮闘していたが、疲労を考慮して6月30日に登録抹消された。

他球団の関係者は「今年の新人の中で武内は実力が抜けている」と口をそろえる。無敗記録をどこまで伸ばせるか。(中町顕吾)