憧れのマイホームを建てるにあたって、防音対策をしっかり行いたいと考える方もいるでしょう。家族との会話やテレビの音などの生活音が部屋や外に音漏れするような家では、快適な暮らしはできず、近所トラブルの原因にもなる恐れがあります。
そこで今回は、一軒家の音漏れはどれくらいになるのか、構造ごとの違いや遮音性を高める工夫についてご紹介します。
また、以下の記事では自宅に防音室を作る方法について解説していますので、参考にしてみてください。
自宅で防音室を作るには?防音のプロが音の仕組みから詳しく解説
一軒家の構造について
一軒家の主な構造の種類は、木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造の3つに分かれます。構造ごとに音漏れのしやすさが異なり、メリット・デメリットも違ってくるので特徴を確認しておきましょう。
木造
木造は、古くから日本で用いられている伝統的な構造です。名前のとおり、柱や梁など住宅を構成する重要な部分に木造を使っています。
木造のメリットは、ほかの構造よりもコストを抑えられることです。熱伝導率が低く、夏場の熱気や冬場の冷気など外気を遮断できるので、断熱性に優れているのも特徴になります。天然素材の家にこだわりたいときにもおすすめです。
ただし、ほかの構造より耐震性が低い傾向にあります。強度の高い木材や耐震システムを採用したり、木造軸組工法や2×4(ツーバイフォー)工法などの耐震性のある工法にしたりといった工夫が必要です。ほかにもシロアリなどの害虫対策や定期的なメンテナンスも求められます。
鉄筋コンクリート造
鉄骨コンクリート造は、鉄筋とコンクリートを合体させた部材によって構築される構造です。一戸建て住宅以外にアパートや高層建築物、大型建築物にもよく用いられています。
鉄骨とコンクリートでできているので耐震性を高めやすく、気密性に優れている点がメリットです。コンクリートによって、耐火性もアップしています。
ただし、建築コストが高くなります。熱伝導率が高いので断熱性が劣りやすく、外気の影響を受けやすい点に注意が必要です。気密性が高い分、室内に湿気を溜め込みやすいので、内部結露やカビの対策が求められます。
鉄骨造
鉄骨造は、鉄でできた柱や梁などで構成された構造です。こちらも住宅から高層建築物、大型建造物まで幅広く用いられています。
鉄筋コンクリート造よりも強度がやや下がりますが木造に比べると高く、耐震性も強い特徴があります。強度が高い分、柱や壁のない大空間を作ることができます。大きな窓の設置もしやすく、採光の取りやすい住宅にできることもメリットです。
木造と比べて建築コストが高くなるデメリットがあります。また、熱伝導率が高いので断熱性が低く、耐火性も木造より劣りやすい点に注意しましょう。
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【一軒家の音漏れ】構造ごとの違いはどのくらい?
構造ごとに音漏れの違いはどのくらいあるのでしょうか?続いては、構造ごとの防音性の違いをご紹介します。
木造一軒家の音漏れ
木材は通気性に優れており、音を通しやすい性質を持つため音漏れしやすい構造です。となりや上下の部屋から話し声やテレビの音などが聞こえてくるケースもあります。
また、壁の間に空間ができやすく、木材は気候によって伸縮する性質から骨組み部分に隙間が空きやすいという特徴も音漏れしやすい要因です。木造を選ぶ際は、しっかり防音・遮音対策をすることが求められます。
鉄筋コンクリート造一軒家の音漏れ
鉄筋コンクリート造は、コンクリートが骨組みに隙間なく流し込まれているのが特徴です。もともとコンクリートは音を通しにくく、さらに構造に隙間が生じにくいので、高い遮音性を有しています。
空気の振動によって伝わる音を抑制できるので、音漏れしにくい一軒家にしたいのであればおすすめの構造です。ただし、音漏れに強い構造であっても、床や壁が薄かったり、壁と構造の密度が低かったりすると防音性が下がってしまいます。そのため、鉄骨コンクリート造でも防音・遮音対策を検討しましょう。
鉄筋コンクリート造には、柱と梁で支えるラーメン構造と壁のみで支える壁式構造があります。壁式構造では厚い壁を使うことが多く、ラーメン構造よりも防音性は高めです。
鉄骨造一軒家の音漏れ
鉄骨造は木造よりも防音性が高いとされていますが、さほど大差はないともいわれています。そのため、鉄骨コンクリート造と比べると、となりや上下の部屋からの音漏れが気になる可能性があるでしょう。
防音性が劣る理由としては、構造と壁の密度が低いことが挙げられます。また、軽量鉄骨造か、重量鉄骨造のどちらで建てるかによっても防音性が変わってくるので注意してください。
軽量鉄骨造は厚さ6mm以下の鋼材を使用しており、戸建て住宅やアパートでよく用いられています。一方、マンションや大型施設で使われている重量鉄骨造は厚さ6mm以上の鋼材を使っているので、骨組みに厚みが出る分、軽量鉄骨造よりも防音性が高くなります。しかし、多少防音性に違いがある程度なので、防音対策が必要です。