「児童ポルノ動画と同じようにしてみたい」 “園児へのわいせつ行為”で逮捕の元保育士、追起訴事実認める

勤務していた保育園で複数の女児らにわいせつな行為をした疑いで7回逮捕されている元保育士の長田凪巧(なぐみ)被告の追起訴分の公判が今月5日に東京地方裁判所(室橋秀紀裁判長)で行われた。

被告は前回の裁判までにAちゃん、Bちゃん、Cちゃん、Dちゃん対する強制わいせつ行為を認めていたが、5日の裁判では4月26日付で追起訴されたEちゃんに対する同行為が審理された。

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被告はこれまでの4人と同様に、自身に任せられた「午睡(昼寝)見守り」の時間を利用し、Eちゃんを押し入れに呼び出してわいせつな行為をしていた。

昼寝しない子どもを𠮟る口実で…

起訴状によれば、被告は昨年、午睡時間に眠っていなかったEちゃんを𠮟るため押し入れに呼び出して、バンダナで目隠しをした上でわいせつな行為に及んだという。

被告が勤務していた保育園は、性加害の発覚を受けて、昨年末に「緊急保護者会」を開催。被害園児のひとりとしてEちゃんの名前が挙がった。Eちゃんの保護者が、改めて「被告と2人で押し入れに入ったことがあるか」「目隠しをされたことがあるか」などを確認したところ、Eちゃんはいずれも肯定したという。

Eちゃんに対する加害時期が特定されていないため、昨年7月に改正される前の刑法に則り強制性交等罪(※)に問われた被告。裁判官が「読み上げた起訴状に何か間違っているところはありますか?」と尋ねると、「ありません。すべて事実です」と答えた。

※現・不同意性交等罪。昨年7月に刑法が改正された関係で、犯行時期によって適用が異なる。

また、検察官が読み上げたEちゃんの保護者の意見書によると、Eちゃんは遊んでくれていた被告に対し、現在でも「悪い感情は持っていない」という。しかし、親としては断じて許せないとして次のように続けた。

「昼寝しないことが悪いことであるかのように感じさせて、性欲のはけ口にした。絶対に許せません。インターネット上には被告の家族の写真も拡散され、被告の子どもは犯罪者の子どもになってしまった。同じ子を持つ親としても、被告の行為は理解できません。被告を一生社会に出すことがないようにしてほしいです」

児童ポルノ動画と「同じようにしてみたい」供述か

さらに検察官は、被告が捜査時に、「Eちゃんと押し入れに入った際、(鑑賞した)児童ポルノ動画を思い出し“同じようにしてみたい”と犯行に及んだ」という趣旨の供述をしていたことも明らかにした。

いでたちはこれまでの公判期日と変わらず黒い上下スエットに便所サンダルのままだったが、一連の裁判で初めてマスクを外して出廷した被告。口を一文字に結んだどこか気弱そうな表情と、認めた罪のむごさとのギャップを感じ余計に背筋が寒くなった。

被告は他の園児に対するわいせつ行為の疑いでさらに追起訴されており、証人尋問や被告人質問はそれら追起訴分の罪状認否等の後で行われる予定だ。