お勉強的な情報ではなく、楽しめる情報を入り口にしたい
――障害の有無にかかわらず、誰もが活躍できる社会のため、一人一人ができることはなんだと思いますか?
大澤:知ること、関心を持つことだと思います。それも「障害のことを知りましょう、こうするべきです」というような、お勉強的な情報では逆効果で、みんな読むのが面倒くさくなってしまうんですよ。入り口は楽しめる情報であることがとても大事だと思っています。
「gente」が個人のストーリーにこだわっている理由もここにあって、知ることを楽しめるようなインタビュー記事になっていると思います。僕は何かを教えようというマインドは持っていなくて「ねえ、この人面白いから読んでみて」という気持ちで作っています。だからこそ伝わる部分があるのではないかと思っています。
定期購読も行っているので、ぜひ皆さんも手に取ってみてください。「gente」は特定の障害だけでなく、横断的にさまざまな障害について取材しているからこそ、継続して読んでいただくことで、より幅広い気付きが得られると思っています。
genteのバックナンバーを手にする大澤さん
編集後記
大澤さんの「gente」発行に対する姿勢は、同じように社会課題に関する記事を発信している日本財団ジャーナル編集部にとって、数々の気付きを得ることができた取材となりました。
障害はどこにあるのか考え、気付く人が増えると、社会を動かす空気がつくられていきます。社会の側にある障害を取り払うために、まずは、一番近くの知り合いに「gente」のことを伝えてもらえればと思います。genteの配架先はこちら(外部リンク)から確認できます。
撮影:永西永実
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〈プロフィール〉
大澤元貴(おおさわ・もとき)
グラフィックデザイナー。日常生活において障害者との接点が皆無である現状に疑問を感じ、2018年5月にgenteのパイロット版を発行。その中で得られた予想以上のポジティブな反応を受け、定期刊行を決断。以降、年4回3カ月ごとの発行を、取材から編集、撮影、デザインレイアウトをすべて一人でこなしながら発行を継続。取材で得た情報をもとに、障害理解のための講座や、DE&I研修事業にも精力的に取り組んでいる。
gente公式サイト(外部リンク)