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●東京の週末旅なら、都電さんぽが楽しい!都電沿線で見つけたい可愛すぎる「東京みやげ」とは?

 東京散策におすすめの都電に乗って、可愛いくて美味しいお土産を探しに出かけしてみませんか?

 イチオシのお土産を買いに向かったのは、昭和32年創業の老舗『都電もなか本舗 菓匠 明美』。都電荒川線・梶原停留所の目と鼻の先にあります。東京に唯一残る路面電車で、東京の列車さんぽを楽しみながら向かうとしましょう。

まずは都電荒川線に乗って


梶原駅のホーム

 路面電車の都電荒川線は、かつて東京市という行政区画があったため、市電と呼ばれ、都内を走りまわっていました。その後、都電となり都民の足として活躍しましたが、自動車が増えたり、他の交通機関が発達したりしたため、昭和40年代に約181km分が廃止。


町屋駅周辺。沿線数ヶ所にバラが植えられている ※取材時

 今は、“東京さくらトラム”と呼ばれる都電荒川線のみ、区間は三ノ輪橋~王子駅前〜早稲田駅間の12.2kmが残されています。道路と並走する場所もあり、車窓からは他の電車よりもぐっと近くに人々の暮らしが垣間見えますよ。桜やバラの名所でもあり、車窓からの眺めも楽しい。

 さて、お目当てのお土産を求めるなら、乗り過ごさずに梶原駅で降りてくださいね。

歴史ある東京名物「都電もなか」を買いに行こう


店内には都電もなかが積まれている

 そしてやってきたのが『都電もなか本舗  菓匠  明美』。店内に入って目に留まるのが、都電を模した「都電もなか」。「明治44年から昭和40年代まで都民の足として慕われていた都電を、何とかして形に残したい」 と作られたそうで、東京土産として有名です。

 もなかは、1個ではなく車輌の1輌(りょう)で数えるところが粋。10輌入りは車庫を模した箱入り、14〜32輌入りには路線図のすごろく箱も用意されていて、芸が細かいです。包装紙にも路線図が描かれていて、いただいたら紙回収に出すのがもったいなくなりますよ。パッケージには全7種の都電のイラストが描かれています。


185円

 店員さんにおすすめパッケージを伺ってみたら、「中身は同じなので、本当にお好みで。どれがというものがなけらばランダムにお入れしますよ」とのことでした。おまかせにしたら、黄色の都電6000形と、白と青の都電8900形が入っていました。7種の中には、今動いていない車輌や活躍中の車輌もありますよ。


都電パッケージから取り出すと中身も都電

 箱を開けるともなかも窓や扉まである都電のかたち。かわいくて食べるのがもったいないですが、パクッといきましょう。


たっぷりのつぶし餡の中に求肥

 さくさくの香ばしいもなかに、北海道道産小豆で作られたつぶし餡の程良い甘さに癒やされます。さらに白玉粉のもちもちの求肥も入っていてお腹も大満足。

デフォルメされた車輌がかわいい「どら焼」もおすすめ!


どら焼180円

 もっと都電にちなんだお菓子をご希望の人には、都電の焼き印が可愛い「どら焼」はいかがでしょう。つぶ餡を包む、やわらかく口の中でとろけるような皮。仄かなはちみつの味がやさしく、つぶ餡の甘さを引き立ててくれます。

王子の伝承を思い出させる「王子の狐」


200円

 梶原駅の2駅隣にあるのが王子駅です。王子にある王子稲荷神社は、落語「王子の狐」のゆかりの場所。また、大晦日に狐たちが王子の榎(現在、装束稲荷の場所にある)で、衣服を正して王子稲荷へお詣りしたという話が残っています。歌川広重は名所江戸百景に伝承の狐火を描き、現代では狐の行列イベントが開催されるほど、王子は狐とご縁が深い場所なのです。

 明美の「王子の狐」は、耳元に可愛いかんざしがちょこん。かんざしは季節毎に変わるそうです。


みっちり詰まったこし餡 [食楽web]

 薯蕷(じょうよ)まんじゅうで山芋が入っているため、皮がしっとりもちもち。さらりとしたこし餡の甘さは、お茶請けにぴったりです。


ご紹介した和菓子は1個から購入できる

 都電に乗れば、古き良き風情と新しさが混ざり合う街並みを巡ることができます。30ある都電荒川線の停留所から気ままに途中下車の旅をすれば、新たな出会いがあるかもしれません。ぶらり旅のお供やお土産には、ぜひ都電や狐を模したお菓子をどうぞ。

(撮影・文◎乃々)

●SHOP INFO


ゴトン、ゴトン

店名:都電もなか本舗 菓匠 明美

住:東京都北区堀船3-30-12
営:10:00~18:00
休:月曜(祝日は営業・振替休業あり)
https://www.todenmonaka.com/