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●台湾料理とシャンパンを合わせていただくスタイリッシュなレストラン『富錦樹台菜香檳(フージンツリー)』が人気の理由とは?

「台湾料理」と聞いてまず思い浮かべるのは、小籠包や、台北の街中に数多くある庶民的な食堂ではないでしょうか。一方で、台湾料理にも高級感を打ち出した店があり、近年特に注目を浴びているのが『富錦樹台菜香檳(フージンツリー)』というブランドです。

 台北・松山空港近くにあるオシャレエリア・富錦街でセレクトショップやカフェなどのオシャレな店ばかりを数々展開する富錦樹グループによるレストランで、「台湾料理をシャンパンと合わせて楽しんで欲しい」というコンセプトでスタート。2014年に台北で開店後、台湾で絶大な評価を受け、2021年から3年連続でミシュラン一つ星を獲得するほどの高評価を得ています。


『富錦樹台菜香檳』COREDO室町テラス店

 また、2019年には日本橋のCOREDO室町テラスに日本初出店。そのハイレベルな味わいと、贅沢な店内空間で時間帯によっては行列ができる人気店になりました。


ボタニカルアートなどが配された、ゆったりとした空間のレストランです

 今回は「台湾料理をシャンパンと合わせていただく」というその味わいを確かめにこのCOREDO室町テラス店に行ってきたので、その魅力をご紹介していきましょう。

『富錦樹台菜香檳』の料理に最も合う自慢のシャンパンに感激


厳選されたシャンパン「ベルナール トルネイ」1880円(グラス・税込)をいただきます

 緑が望めるテラス席(一部要予約)に案内され、さっそく4種のシグネイチャーメニューと、シャンパンをオーダー。程なくして料理がサーブされ、まずは自慢のシャンパンだという「ベルナール トルネイ」をいただきました。

 コク深い味わいとフルーティな柑橘感が合わさった絶品シャンパーニュで、まずこの味わいに感激。店員さんに感想を言うと、この「ベルナール トルネイ」は『富錦樹台菜香檳』の料理に最も合うシャンパンだと考えているとのこと。このレベルの高さに料理のほうにも期待が膨らみます。

 筆者がオーダーしたシグネイチャーメニューは以下の4種。

「樹子水蓮(水蓮菜と木の実の炒め)」1480円(スモール・税込)
「老皮嫩肉(台湾揚げ出し豆腐)」1280円(スモール・税込)
「油條蒜蓉鮮蚵(カキと揚げパンのニンニクソース)」1580円(スモール・税込)
「松花蒼蠅頭(花ニラとピータン豚挽肉のピリ辛炒め)」1580円(スモール・税込)

 いずれもスモールでのオーダーでしたが、2名ほどでシャンパンをいただきながら料理を楽しむには十分な量。それではさっそくいただきます!

いずれの料理も想像とはまるで違う繊細な味わい


「樹子水蓮(水蓮菜と木の実の炒め)」

 最初に、「樹子水蓮(水蓮菜と木の実の炒め)」からいただきました。まず、シャキシャキの水蓮菜の咀嚼感が楽しく、そして後からさっぱりとした味わいを感じます。青菜臭さなどは全くなく、なかなかに奥ゆかしい味わいで、『富錦樹』では特にマストでオーダーしたい一品だと思いました。


「老皮嫩肉(台湾揚げ出し豆腐)」

 お次は、「老皮嫩肉(台湾揚げ出し豆腐)」を。日本の揚げ出し豆腐は“豆腐特有の豆苦さ”をほのかに感じるものですが、これには玉子豆腐を使用しているため、それとはまるで違う味わいで臭みゼロ。プルプルの豆腐をかじると優しい豆の風味が口いっぱいに広がります。いわゆる台湾の食堂でいただく揚げ出し豆腐とも違う味わいで、これが確かに不思議とシャンパンによく合います。


「油條蒜蓉鮮蚵(カキと揚げパンのニンニクソース)」

 3品目にいただいたのは「油條蒜蓉鮮蚵(カキと揚げパンのニンニクソース)」。味わい深いカキと、カットされた台湾揚げパンが添えられた逸品で、にんにく感は控えめで上品。それでいて調味料の強いパンチもあり、言うまでもなくこちらもまたシャンパンがグングン進むメニューでした。


「松花蒼蠅頭(花ニラとピータン豚挽肉のピリ辛炒め)」

 そして、最後にいただいたのが「松花蒼蠅頭(花ニラとピータン豚挽肉のピリ辛炒め)」。日本のニラはやはり青臭さや苦味がありますが、この花ニラにはそれが全くなく、むしろ甘味を感じさせるような不思議な味わい。この花ニラに、細切れにしたピータンと豚皮肉をピリ辛に炒めたもので、このままいただくのもヨシ、ご飯や麺類と合わせていただくのもヨシな一品でした。

日本風にアレンジせず、台北本店と同じ味を提供


特別なひとときにオススメです[食楽web]

 台湾料理には日本のような「出汁」文化が薄く、あくまでも素材・スパイス・調味料の合わせ技で完成させることが多いと言います。今回いただいた『富錦樹』のシグネイチャーメニューの4つのいずれも、まさにこの“技”を感じるものばかりで、いずれもハイレベルな料理ばかりでした。

 日本向けにアレンジしているわけではなく、あくまでも台北本店での調理法をそのまま、日本のCOREDO室町テラス店でもサーブしていると言います。また、食材や調味料も全て台北本店と同等のものを調達しているとのことで、ここまでのこだわりようもまた同店の強い矜持を強く感じました。

 確かに台湾料理ですが、従来の味わいをさらに何段階も進化させた「富錦樹」の味わいは、誰もが感動を覚えるはず。特別なひとときに、シャンパンと一緒に『富錦樹』ならではの味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。

●SHOP INFO

富錦樹台菜香檳

住:東京都中央区日本橋室町3-2-1 COREDO室町テラス 2F
TEL:03-6262-5611
営:11:00~22:00 (21:00LO)
席数:104席(ダイニング74席・テラス28席)
https://fujintree.jp/

(取材・文=松田義人(deco))