それ、誰のこと?
「今ね、あんたのことで上司から呼ばれたところ。残業していた私を見かけて、良い機会だからって」
夫からは返信がありません。
「ウワサされているのはそっち。いつも仕事をサボり、あり得ないミスばかりで会社に損害を与えかねないって。新卒の子たちからも苦情が殺到。愛称じゃなくて蔑称(べっしょう)で呼ばれていたのよ。飲み会に勝手に入り込んでは特定の子に言い寄っているとか。これ、訴えられてもおかしくないわね」
そう、正式発表の前に、妻である私に夫の処分=左遷が知らされたのです。しかし私は、このことで逆にふっ切れました。度重なる行き過ぎた行動と、「結婚は間違いだった」という彼の言葉、下心見え見えで後輩の女の子に近づいていた事実などから、すっかり愛情がなくなっていたため、離婚を言い渡したのです。
泣きながら謝ってきた夫ですが、会社の調査で、新人以外の後輩女性にもストーカーまがいの行為を繰り返していたことが発覚。勝手に好かれていると思い込んでワンチャンを狙っていたらしいのです。妻の私はまさに赤っ恥! その後、問答無用で離婚届に署名させました。
私は、自分の見る目がなかったのだと落ち込みましたが、早く別れられたのが不幸中の幸いだったかもしれません。今しばらくは仕事に集中し、結婚生活ですり減った心を癒やしていこうと思っています。
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実は仕事ができず、後輩たちからも疎まれていた元夫。ウワサされていたのが自分だとも気が付かず、妻を見下す言動は許せませんね。早々に離別できてよかったのではないでしょうか。
著者/ウーマンカレンダー編集室/トーク系
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