管理が適切に行われているマンションを選ぶ時のポイント

マンションの管理が適切に行われているか、という点は購入時にきになるものです。
続いては、管理が適切に行われているマンションを選ぶ時のポイントを3つピックアップしてご紹介します。
マンション選びの参考にしてみてください。

修繕積立金が適正に徴収されているか確認する

マンションのメンテナンスは、一戸建てよりもさらに多くの費用がかかります。
まとまった資金が必要になるので、マンションの住民から修繕積立金を徴収します。
その修繕積立金が適正に徴収されている物件であれば、適切な管理を行っている可能性が高いです。
修繕積立金を高めに設定している物件は毎月の費用負担が大きくなってしまいますが、低すぎるといざという時に資金不足に陥りやすいです。
そのため、修繕積立金の相場を把握しておく必要があります。
国土交通省のガイドラインでは、マンションの総階数や延べ床面積によって1㎡あたりの平均値が以下のように記されています。

階数/建築延べ床面積 平均修繕積立金(月額)
20階未満 5,000㎡未満 335円/㎡
5,000㎡~10,000㎡未満 252円/㎡
10,000㎡~20,000㎡未満 271円/㎡
20,000㎡以上 255円/㎡
20階以上 338円/㎡

管理組合の質はどうか確認する

管理組合は、分譲マンションの所有者全員で構成される管理団体のことです。
実際的な業務は行いませんが、管理の主体は管理組合となっているので、メンテナンスの状況を左右します。
管理組合の質を確認するには、ゴミ置き場や自転車置き場がきれいな状態になっているか、管理の規約や体制はどうなっているのか、といった点をチェックしましょう。
これらの情報は、マンションを購入する前にも確認できます。
できるだけ細かく確認しておくと、購入してから後悔する可能性が低くなります。

ホームインスペクションを行ってみる

長く住み続けられるマンションか見極めるためには、ホームインスペクションを行うのもおすすめです。
ホームインスペクションは、建築士などの専門家が建物の構造上の劣化や不具合などをチェックするサービスです。
表面的な劣化や不具合であれば内覧時などに確認できますが、構造部分はチェックできません。
そのような時はホームインスペクションを利用しましょう。
数万円程度で住まいの安全性を調べてもらえます。
マンションは一生に一度の大きな買い物でもあるので、ホームインスペクションの利用も前向きに考えてみてください。

2018年4月からは、国土交通省による「安心R住宅」という制度がスタートしました。
この制度は、ホームインスペクションを実施し、現行の耐震基準や一定の品質基準を満たした中古住宅の広告に「安心R住宅」マークが表示されるというものです。
「安心R住宅」マークがついているマンションは、ホームインスペクション済みであり、耐震性などの基準をクリアしている安心な物件だと言えます。
中古マンションを購入する際は、マークの有無も確認すると安心度が高まるでしょう。

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築古中古マンションを購入する際の注意点

新築ではなく、築古中古マンションを購入するケースも珍しくありません。
最後に、築古中古マンションを購入する際に知っておきたい注意点についてご紹介します。
ここでは4つの注意点をご紹介するので、中古マンションの購入を考えている方は、参考にしてみてください。

希望通りの住宅ローンを組めない場合がある

マンションを購入する時に住宅ローンを利用する方は多いです。
住宅ローンに利用は可能ですが、中古マンションだと思っていたような融資を受けられない可能性があります。
住宅ローンは、購入するマンションなどの不動産を担保とするローンです。
担保は、万が一債務者が返済できなくなった時、代わりに差し出すものとなります。
中古マンションだと不動産としての価値が低く、想定より低い金額しか借りられない可能性が出てくるのです。
借入期間が希望より短くなったり、そもそも住宅ローンの審査に通らなかったりする可能性もゼロではありません。
ただし、金融機関によって審査方法が異なり、中古物件でも新築と同じように扱っているところもあります。
そのため、複数の金融機関に住宅ローンの相談をするようにしましょう。

修繕積立金が値上げされたり、一時金を徴収されたりする場合がある

分譲マンションを購入した場合、修繕積立金や管理費を毎月支払うことになります。
修繕積立金や管理費は、ずっと同じ金額ではないという点も把握しておくべき事項です。
特に修繕積立金は、築年数が古くなるにつれ、上がっていくケースが多くなっています。
住まいサーフィンの調査によると、都道府県・築年数別の修繕積立金の相場(70㎡)は以下のようになっています。

都道府県 築年数と修繕積立金

東京都 築1年:7,065円
築5年:8,326円
築10年:12,459円

神奈川県 築1年:6,617円
築5年:8,486円
築10年:11,750円

埼玉県 築1年:7,061円
築5年:7,576円
築10年:10,937円

千葉県 築1年:6,106円
築5年:7,329円
築10年:10,701円

大阪府 築1年:5,389円
築5年:6,405円
築10年:9,434円

兵庫県 築1年:5,220円
築5年:6,615円
築10年:10,045円

京都府 築1年:5,505円
築5年:6,626円
築10年:7,806円

滋賀県 築1年:5,057円
築5年:6,147円
築10年:8,245円

このように、築年数が経過するごとに修繕積立金の金額はあがっていきます。
さらに築古の物件になれば、より高い金額が設定されている可能性が高いです。

また、毎月の修繕積立金がそこまで値上げされていない場合は、大規模修繕を行う時に一時金の徴収が行われる場合があります。
一時金の金額は修繕にかかる費用とマンションの戸数によって変わります。
一戸当たり数万円の場合もあれば、数十万円や数百万円となる場合もあるのです。
急な出費を避けるためにも、購入前に大規模修繕の状況や修繕積立金についてしっかり確認しておきましょう。

リノベーションができない場合がある

中古マンションは、リノベーションを前提として購入を検討するケースも多く見られます。
リノベーションをすると、内装や設備を新しいものに変えられるので、まるで新築のような快適な空間を作れます。
間取りですら変えられるので、内覧で気になる部分があっても気にする必要はありません。
しかし、建物の構造や管理規約がリノベーションの障壁になってしまうパターンもあります。
壊すことができない構造壁の有無や水回りの配管経路は、間取り変更の障壁になるのであらかじめ確認しておきましょう。
管理規約で「防音性能を担保するため、床材はカーペットもしくは遮音フローリングでなければいけない」などの定めがある物件もあります。
リノベーションを考えているのであれば、リノベーションを前提として販売されている物件を選択すると安心です。

売却が難しい場合がある

マンションを購入する方の中には、将来的に売却することを前提に考えているケースもあります。
売却する予定がなかったとしても、事情が変わって手放さなければいけない状況になる可能性もないとは言い切れません。
しかし、築40年を超えるマンションを購入した場合、10年後に売却しようとしても古くてなかなか売れなくなってしまう恐れがあります。
立地条件が悪い物件では、売れにくくなってしまいます。
ただし、人口が減少しないエリアで利便性が高ければ、築年数が古くても買い手が見つかりやすいです。
もちろん、定期的なメンテナンスをしっかりと行っていて、劣化がそこまでひどくないことが前提条件です。