「キッチンを移動したいけど、リフォーム費用の相場がよくわからない」

この記事では、そのような方に向け、キッチンの移動リフォームにかかる費用を工事明細とあわせてご紹介します。リフォーム事例写真も交えて紹介するので、キッチンを移動してみたいと考えている方は参考にしてください。

こんな人におすすめ

壁付け型のキッチンから対面キッチンにリフォームしたい

キッチンの向きや場所を変えたいけれど、既設のキッチンをそのまま使いたい

マンションの場合、構造上の問題で移動すること自体が難しい場合もあります。後からできないと分かって後悔しないよう、こちらの記事で事前に把握しておきましょう。

1.キッチン移動リフォームの費用相場と事例

キッチンの移動リフォームの費用は、移動距離や階をまたいで移動するかなど、間取りやレイアウト変更の度合いによって大きく変わります。代表的な4つのパターンに分けて、費用と事例を紹介します。

1-1.既設キッチンの移動費用

今のキッチンはそのまま使い、移動だけしたいケースには、下記2つの場合があります。

キッチンの場所を変えたいだけの場合

壁付け型から対面型キッチンにレイアウトごと変更したい場合

前者のように、別の部屋や別の壁面にキッチンを移動したい場合は、20~70万円が費用の目安です。

後者のように、既設のキッチンを再利用して対面型キッチンにリフォームしたい場合は、腰壁や対面カウンターの新設費用などがかかるので、費用の目安は42~152万円になります。

システムキッチン本体の費用や廃材処分費がかからないため、「リフォーム費用を少しでも安く抑えたい」「まだ使えるシステムキッチンを処分するのはもったいない」と思う場合に有効な手段です。

既設キッチンを移動して再利用する場合の注意点

キッチンを新設する場合は「メーカー保証」がありますが、既設キッチンの再利用に保証はありません。設置後のトラブルの際にも、実費での対応となるため注意が必要です。

また、システムキッチンの寿命は15〜20年といわれています。設置から15年を超えたキッチンの場合は、不具合が起こる可能性も高いため、新しいキッチンへの交換をおすすめします。

特に、水栓・ガスコンロ・食器洗い乾燥機・レンジフードなどの設備機器は、交換しておいたほうが安心です。参考までに、筆者宅のガスコンロは16年目に寿命を迎えました。やはり、15年前後が設備機器の交換時期といえるのではないでしょうか。

1-2.壁付け型から対面型(カウンターキッチン)へのリフォーム費用

キッチンを移動したいという要望の中で最も多いのが、壁付け型キッチンから対面型キッチンへのリフォームです。費用の目安は、140~250万円になります(システムキッチン本体代金を含む)。

壁付け型から対面型へリフォームする費用の明細例

※色付き部分が移動にともなう工事です

No
項目・仕様
数量
単価(円)
金額(円)
1 養生費 20㎡ 540 10,800
2 既存撤去及び廃材処分費 1式   96,000
3 新規配管用開口及び既存開口部補修(材料費+工事費) 1式   32,000
4 下がり壁・袖壁造作下地(材料費) 1式   42,000
5 カウンター天板(材料費) 1式 40,000 40,000
6 同上施工費 1式   56,000
7 電気設備工事 1式   100,000
8 ガス設備工事 1式   28,000
9 給排水衛生設備工事 1式   80,800
10 換気設備工事 1式   28,000
11 巾木/木製化粧材(材料費+工事費) 1式   10,000
12 壁面下地処理(材料費+工事費) 1式   28,000
13 クロス/普及品 26㎡ 1,090 28,340
14 同上施工費 26㎡ 590 15,340
15 脚立足場 20㎡ 440 8,800
16 CFシート(材料費) 20㎡ 2,750 55,000
17 同上施工費 20㎡ 800 16,000
18 システムキッチン 1台 556,500 556,500
19 IHクッキングヒーター 1台 225,750 225,750
20 キッチンライト 1台 14,500 14,500
21 同上組立て及び設置費 1式   84,000
22 引き渡し清掃費 20㎡ 690 13,800
23 資材運搬及び諸経費 1式   165,803
小計 1,735,433
消費税(10%) 173,543
合計 1,908,976

壁付け型から対面型へのリフォーム事例

after

リフォーム前のキッチンは、リビングダイニングの奥まった場所にあり、やや暗い印象でした。リフォームでリビングダイニングからアクセスしやすい場所に対面型キッチンとして配置。動線が便利になったことはもちろん、掃き出し窓が近く、明るいキッチンに変わりました。

出典:https://www.artreform.com/example/4336/

対面キッチンにリフォームしたい!費用や事例、メリット・デメリットは?

1-3.壁付け型からアイランド型キッチンへのリフォーム費用

対面型キッチンの中でも人気のある「アイランド型キッチン」。壁付け型キッチンからアイランド型キッチンへのリフォームは、150~300万円が費用の目安になります。

アイランド型キッチンの場合は、キッチンカウンターの形状が壁付け型と異なるため、既存キッチンの再利用は困難です。また、基本的に天井吊り型のレンジフードを設置するため、レンジフードの再利用もできないものと考えておきましょう。

壁付け型からアイランド型へリフォームする費用の明細例

※色付き部分が移動にともなう工事です

No
項目・仕様
数量
単価
金額
1 養生費 33.2㎡ 540 17,928
2 既存撤去及び廃材処分費 1式   124,000
3 電気設備工事 1式   100,000
4 ガス設備工事 1式   28,000
5 給排水衛生設備工事  1式   100,000
6 換気設備工事 1式   35,000
7 天井・壁・床一部下地補修工事 1式   60,000
8 床構造用合板張り 1式   40,000
9 フローリング/合板・塗装品 33.2㎡ 6,000 199,200
10 同上施工費 1式   70,000
11 巾木/木製化粧材 1式   10,000
12 下地処理 1式   28,000
13 天井/壁クロス/普及品 94㎡ 1,090 102,460
14 同上施工費 94㎡ 590 55,460
15 脚立足場 33.2㎡ 440 14,608
16 アイランドキッチン/2760×1050×850 1台 1,000,000 1,000,000
17 同上組立て取付け施工費 1式   160,000
18 ダイニングテーブル/1240×1050×700 1台 120,000 120,000
19 ペンダントライト 2台 18,800 37,600
20 引き渡し清掃費 33.2㎡ 690 22,908
21 資材運搬費及び諸経費 1式   369,396
小計 2,694,560
消費税(10%) 269,456
合計 2,964,016

※ダイニングテーブルやペンダントライトなどの付属品も含まれます。

※LDKのフローリング・クロス張替え費用も含まれます。

壁付け型からアイランド型へのリフォーム事例

壁付けタイプのキッチンを、リビングに向いたアイランドキッチンにリフォームした事例です。

天井の高さを活かして、LDの間取りを拡張し広々空間に。開放的な空間で料理をしながら、外の景色も楽しむことができるようになりました。

出典:https://www.anabuki-renovation.com/results/reform/871/

アイランドキッチンリフォームのメリット・デメリット、費用相場

1-4.階をまたいでキッチンを移動する費用

ライフスタイルの変化にともない、1階から2階、2階から1階など、キッチンの設置階を移動したいと思うこともあるかもしれません。しかし、階をまたいだキッチンの移動は、大掛かりな工事になるため、費用の目安は250万円〜になります。それぞれの家の状況によって工事内容が異なるため、概算を知るには見積もりをとることが必要です。

費用を大きく左右するのは、給排水配管の移設工事です。1階から2階にキッチンを移動する場合、2階には床下空間がないので、2階の床を解体するなどして給排水工事を行います。そのため費用がかさみがちです。

また、他の建築条件も考慮する必要があるので、まずは現場調査を依頼し、階をまたいだキッチンの移動が可能かを確認しましょう。

階をまたいでキッチンを移動した事例(2階→3階)

after

after

キッチンを2階から3階に移動した事例です。3階はもともと細かく部屋が仕切られていましたが、間仕切りを取り払い、広々としたLDKを実現しました。

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/744

キッチン移動リフォームの実績が豊富な会社に依頼しよう

キッチンの移動リフォームは、給排水や排気ダクト、電気配線の移設をともなう大規模なリフォームになります。業者によっては断られることも少なくなく、経験や施工実績が豊富なリフォーム会社に依頼できると安心です。

リフォームガイドでは、専任のコンシェルジュがあなたにピッタリの優良なリフォーム会社をご紹介。無料のサービスなので、ぜひ活用してみてください。

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2.キッチン移動リフォームの費用を抑えるには

キッチンの移動リフォーム費用を、少しでも抑える方法を3つ解説します。

2-1.階数変更は真上・真下を検討する

階をまたいでキッチンを移動する場合は、できるだけ今あるキッチンの真上や真下の位置を検討しましょう。配管の移設距離が短いほど、費用を抑えることができます。

2-2.キッチンのグレードを下げる

キッチンの価格は、カウンタートップやシンク、扉などデザイン性に関わる部分がコストアップの要因になっています。

キッチンのグレードを下げることで、10〜30万円程度コストダウンできることも。グレードを下げても機能は十分な商品がほとんどです。コスト重視の場合はグレードを検討してみましょう。

2-3.複数の業者から見積もりをとって比較する

キッチンリフォームに限らず、リフォームを検討する際は、複数の業者から見積もりをとって比較することが大切です。

相見積もりをとることにより、リフォームの相場を知ることができます。また、工事明細があるか否かで、費用の内訳を知れるだけでなく、良心的な業者を見つける手がかりにもなります。

2-4.実績が豊富、かつアフターフォローや保証のしっかりした業者を選ぶ

キッチンのリフォーム費用の大部分を占めるのは、キッチン自体の費用です。キッチンリフォームの実績が豊富な会社であれば、キッチンを安く仕入れるルートも確保していることが多く、キッチン自体の費用を安く抑えることができます。

また、キッチンの大幅な移動をともなうリフォームは、慣れていない会社であると断られる場合もあります。キッチンリフォームの豊富な実績がある業者に依頼することがポイントです。

キッチンのリフォーム会社の選び方についてもう少し詳しく知りたい!という方はこちらの記事も参考にしてください。

キッチンリフォームの会社選び|おすすめの依頼先やチェックポイントを解説

またリフォームでは、工事保証をつける法的義務はありません。そのため工事が終わった後に不具合等が見つかった場合、アフターフォローや保証がついていない業者の場合は余計な出費がかさんでしまいます。キッチン自体にメーカー保証はついていますが、キッチンを移動するリフォームは比較的高度な工事となるため、業者による工事保証もついていると安心です。

必ずリフォーム前に、アフターフォローや保証の有無・内容を業者に問い合わせてみるようにしましょう。