純度が高いのはいいなぁ。精錬された上で高純度に作り込まれたものもいいけど、採れたてなのに純度が高いものも美しい。純度の高さって、人の生き方にも当てはめて考えられるかも。採れたての純度の高さは未完成さに近く、どこか危うい。純度が高いからこそ濁りも目立つ。そのままだと脆く、揉まれるうち傷だらけになったり、濁りの比重が増えてしまったりする。でも、高い純度のまま、強度も上げていけたら、青臭いけど真っ直ぐ美しく輝き続けられるのかもしれないなぁ。

絵・文/水野 学

みずの・まなぶ/クリエイティブディレクター。〈good design company〉代表。著書に『センスは知識からはじまる』『世界観をつくる「感性×知性」の仕事術』(ともに朝日新聞出版)ほか。