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●今も昔も香港で大人気の九龍湾クルーズをもっともお得に予約する方法とは?
古くから香港のド定番観光として知られる九龍湾クルーズ。香港島と九龍の間にある九龍湾の各所を巡る遊覧船で、昼夜問わず多くの観光客で賑わっています。
しかし、一番の人気は19時からのクルーズです。なぜなら、香港の経済発展を象徴する“100万ドルの夜景”を楽しめることに加え、毎晩20時から開催される「シンフォニー・オブ・ライツ」も同時に楽しめるからです。
「シンフォニー・オブ・ライツ」とは香港各地のビル群が連携し、音楽に合わせイルミネーションを放つもの。20年前より実施されてきていますが、世界的にも珍しい試みで、この「シンフォニー・オブ・ライツ」目当てに香港を訪れる観光客も多いとか。
これをクルーズで、しかもビール飲み放題で楽しめるツアーがあると聞き、香港に滞在していた筆者は迷わず参加することにしました。
香港「シティー・オブ・ライツ」鑑賞クルージングが飲み放題で6千円弱!
一昔前、九龍湾のクルーズに参加する場合、その多くが旅行代理店で事前予約するか、現地でチケットを購入するかのどちらかでした。前者は相応の手数料がかかり、後者は言葉が不慣れな人にとってのハードルが高く悩ましかったのですが、今はインターネットでの複数のツアーチケッティングサイトがあり、日本語で格安で予約することができます。
このうち、筆者のオススメは特にアジア諸国のツアーに強い「KKday」。各地の業者と連携したチケッティングを販売しており、総じて安めです。他のチケッティングサイトと比較してみるとよくわかりますが、良心価格だけでなく使いやすいところも利点で、まさに日本人観光客のニーズによく合ったサイトだと思います。
香港はもちろんアジア諸国のツアーの予約にオススメの「KKday」
湾のクルーズもKKdayで予約したのですが、KKdayで予約受け付け&販売されているクルーズツアーには複数の種類があり、時間帯や船内でのサービス内容によって価格はまちまち。その中から筆者は前述の「シンフォニー・オブ・ライツ」の時間帯のクルーズでビール飲み放題のツアーをチョイス。その価格は約75分のクルーズで6千円弱(日本円)でした。飲み放題、クルーズ、さらに「シンフォニー・オブ・ライツ」も楽しめるのであれば、十分満足できそうな価格です。
指定の乗船場で係のお兄さんに声をかけ船を待つだけでOK
指定の番号の乗船場で、手配のお兄さん(今回は右の紫色の人)に自分の名前を告げれば、後は乗船を待つだけ
KKdayで事前予約した時間帯に、尖沙咀(チムシャツイ)フェリーターミナルへ。複数の乗船場があるうち、あらかじめ指定されていた番号の乗船場に向かいました。
その番号の乗船場近くに、乗船名簿(予約名簿)とおぼしきものを持ち、客を待ち続けるお兄さんがいます。このお兄さんに自分の名を告げると「わかった。次の船に乗ってください」と言われ、そのまま指定の船が来るのを待ちます。
乗船時の様子。筆者の後ろには日本人グループも並んでいました
ここで、筆者の近くに、4名ほどの日本人観光客のグループもいましたが、なぜか不思議と海外で日本人に出くわすと、自分も日本人であることを隠したくなり、できるだけ日本語を口にしたくなくなります。これは筆者だけでしょうか……。
デッキで傷心とおぼしき寂しそうな中国美女と二人きりに…
船の中でサーブされる飲み放題のビールとスナック菓子
さて、いよいよ船に乗りこんでみました。筆者は上記の事情(日本人と思われたくない)により、先ほどの4名の日本人観光客とできるだけ離れたデッキに席を確保しました。KKdayでの予約の通り、ここでは確かにビール飲み放題。迷わずビールを頼んでデッキに佇んでいると、中国人らしき「絶世」と言ってもオーバーではない美女が、筆者の近くにポツンと1人で座りました。
このデッキ付近には筆者と中国美女2人だけ。
筆者と2人きりで「100万ドルの夜景」を眺めることになった中国美女
中国美女は、香港の夜景をバックに、缶ビールを被写体にした写真を撮っています。その様子がいかにも寂しそう。もしかしたら彼女は中国で恋人と生き別れ、その傷心旅行として一人で香港旅行に来ているのかもしれません。そして、彼女が夜景をバックに撮る缶ビールは、“傷ついた自分自身”を投影しているようにも映ります。
気分を高めてくれる「100万ドルの夜景」を目指していざ出発![食楽web]
そんな中で船が動き始めました。
「これは美人局なのか。それとも旅先での運命の出会いなのか……」
フェリーが走り出した後も、香港ビールを片手にそんなことを思う筆者。無数のビル群によるきらびやかな「100万ドルの夜景」がその気分を煽ってきます。
美しさと合わせて気分を高めてくれる「シンフォニー・オブ・ライツ」
いよいよ始まった「シンフォニー・オブ・ライツ」
中国美女に声をかけるべきかどうか迷いながらも、「100万ドルの夜景」は目の前をどんどん流れていき、ついに20時に。そう目当ての「シンフォニー・オブ・ライツ」の時間です。
あちこちのビルが連携して放つ光のファンタジーは、まさに香港ならではのもの。中華圏であり、かつてはイギリス領でもあった複雑な文化を持つ香港の姿をそのまま感じることができ、かなり充実した気分を味わうことができました。
ここまでですでに筆者のビールは4本目。あの中国美女も、筆者のすぐ目の前で、相変わらず寂しそうな横顔で「シンフォニー・オブ・ライツ」を眺めています。
やがて「シンフォニー・オブ・ライツ」が終わると、中国美女はまた寂しそうに肩を落としその視線はスマホへ。その様子を前に筆者は「大丈夫。僕たちの『シンフォニー・オブ・ライツ』は、むしろこれから始まるのだよ」などと思っていたのですが、中国美女はそのまま筆者に一瞥もくれずにデッキを後にし、船内へと行ってしまいました。
傷心とおぼしき中国美女の後ろを追ってみると…
中国美女は単に「シンフォニー・オブ・ライツ」を彼氏そっちのけで見たかっただけのようでした
さりげなく中国美女の後ろを追うと、その先には彼氏とおぼしき中国人のヤンキー風の兄ちゃん、その友人とおぼしきこれまたブレイキング・ダウンな方々。中国美女は彼らと仲良くおしゃべりを開始。
つまり中国美女は傷心でも寂しいわけでもなんでもなかったようで、単に「『シンフォニー・オブ・ライツ』を彼氏そっちのけで見たかった」というだけのようでした。
慣れない海外での一人旅では、つい主人公気分になってしまうことがありますが、そんな気分をさらに高揚させてくれたのもまた「シンフォニー・オブ・ライツ」のクルージング。今回の飲み放題も含めて考えればかなりおトクだと思いました。
前述の通り、KKdayでは香港クルーズに限ってみても、ちゃんとした食事をいただけるものや、夜間のイカ釣りを楽しめるものなどもあります。香港に行かれる方はぜひチェックしてみては? きっと自分だけの旅を彩るチケットが見つかりますよ。
(取材・文=松田義人(deco))