3点ユニットバスをリフォームにはお風呂・トイレ・洗面台を分離するほかに、2点ユニットバスへのリフォームやシャワーブースの設置など、さまざまな方法があります。どのリフォームを行うかは、予算や住まいのスペース、水回り設備などを見て総合的に判断すると良いでしょう。
今回は3点ユニットバスのリフォームの種類や費用相場、施工事例を紹介します。リフォームができないケースも解説するので、自宅のリフォームを考えている方はもちろん、賃貸アパートの3点ユニットバスのリフォームを検討中のオーナー様も、ぜひ参考にしてください。
3点ユニットバスのリフォームの種類と費用
3点ユニットバスのリフォームの種類は、大きく分けて5種類あります。それぞれのリフォーム費用相場を以下に表でまとめました。
「バス」「トイレ」「洗面台」を別々の場所に分離する | 100万~180万円 |
2点ユニットバスに変更する | 60万~100万円 |
間仕切りでバストトイレを分離する |
20万~30万円 |
浴槽をなくしてシャワー&トイレにする |
80万~100万円 |
新しい「3点ユニットバス」に交換する | 45万~75万円 |
■「バス」「トイレ」「洗面台」を別々の場所に分離する
バス・トイレ・洗面スペースを分離してそれぞれ別の場所に設置するリフォームは、約100万~180万円が費用相場です。大がかりなリフォームとなるため、費用も高額になる傾向があります。給排水・電気配線関連の工事で費用がさらに上がる場合も少なくありません。
バス・トイレ・洗面スペースを分離するリフォームは、2DK以上の広さのある部屋がおすすめです。トイレを別の場所に設置するには1畳ほどのスペースが必要で、通常押し入れや洋室の一部などを割り当てます。ワンルームや1DKといった住まいでは十分なスペースを確保できないため、収納が不足したりリビングが極端に狭かったり、住みにくい部屋になってしまう可能性があります。
賃貸アパートの場合、分離リフォームにかかる費用の回収までに一定の時間がかかるため、長期的に賃貸経営の予定がある方におすすめです。「バス」「トイレ」「洗面台」を分離すれば、入居改善率に大きな効果が望めるでしょう。
■2点ユニットバスに変更する
バス・トイレが別の2点ユニットバスに変更するリフォームは、バス・トイレ・洗面台の分離リフォームに比べて費用が抑えられ、60万~100万円が相場です。トイレを別の場所に分離して設置するスペースがない1DKや1LDKの住まいでも施工できます。また、もう少し広い住まいの場合、物置やクローゼットの空間をトイレに割り当てるケースもあります。
お風呂とトイレが分かれることで使いやすさも各段に上がりますが、一方で1DKや1LDKといった単身用の住まいの場合、元々の3点ユニットバスよりも浴槽が狭くなる可能性があります。賃貸アパートの場合、入居者が不満を抱かないかどうか、よく検討しましょう。
■間仕切りでバスとトイレを分離する
バスとトイレを完全に分離するスペースがない場合は、間仕切りを設置するリフォームが有効です。費用相場は20万~30万円と比較的安く、工期も2~3日ほどで済みます。完全な別室にはなりませんが、引き戸タイプのパーテーションなどを設置すれば別室に近い雰囲気になるでしょう。
また、入居者を募集する際にはこの状態でも「バス・トイレ別」と記載できるというメリットもあります。
■浴槽をなくし、シャワー&トイレにする
普段あまり浴槽を使わない場合は、浴槽を撤去してシャワースペース(ブース)とトイレに分離するリフォームがおすすめです。費用相場は80万~100万円ほどと安くはないものの、3点ユニットバスに比べてゆとりのあるスペースで体を洗えます。
洗面スペースを撤去すれば、トイレとシャワーブースの両方でさらに広さを確保できます。学生など若年層向けのアパートのリフォームにも良いでしょう。
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■新しい「3点ユニットバス」に交換する
新しい3点ユニットバスへの交換の費用相場は、45万~75万円ほどです。スペースが限られていてパーテーションの設置も難しそうな場合は、3点ユニットバスのグレードを上げるだけでもぐっと雰囲気が変わります。
注意したいのは、3点ユニットバスのトイレだけ・浴槽だけ交換したいときです。一般的な浴槽・トイレは3点ユニットバスの浴槽・トイレと規格が異なるため、設置できません。トイレや浴槽を交換する場合は、3点ユニットバス専用のサイズのものを選ぶ必要があります。
最近の3点ユニットバスは機能性やデザインに凝った商品も多いため、リフォーム業者とサイズや設備を相談しながら選びましょう。
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3点ユニットバスの分離リフォームができない場合もある
3点ユニットバスを分離するときには、特に気をつけておきたい注意点があります。
部屋の間取りや建物の構造によっては、3点ユニットバスの分離リフォームができない場合もある、ということです。
3点ユニットバスの分離リフォームが「できない」条件
分離させたトイレを配置するスペースがない
水回り設備の移動ができない
この項では、3点ユニットバスの分離リフォームができない場合についてご説明します。
■分離させたトイレを配置するスペースがない
3点ユニットバスを分離する際に一番問題になるのは、分離させたトイレを置くスペースがあるかどうかです。
単独でトイレスペースを設けるなら、最低でも2畳程度は必要です。約2畳のトイレスペースを確保しても生活に支障のないだけのスペースが確保できるかどうかがポイントです。
一般的なサイズのワンルーム物件では、居室部分にはトイレスペースを新たに設ける余裕はありません。トイレスペースのために収納や居室スペースを削ってしまうと、かえって生活に不便な部屋となってしまいます。賃貸物件で3点ユニットバスの分離を検討するときは、狭くなることで物件の魅力を残ってしまわないか検討しましょう。
ユニットバスとトイレを分離しても生活に支障がないか、をまず確認しましょう。
■水回り設備の移動ができない
3点ユニットバスを分離させるリフォームでは、水回り設備を移動させます。トイレを別の場所に移すだけでなく、間取りによってはキッチンも移動するケースもあるでしょう。
また、集合住宅では、給排水管の勾配などの都合上、今ある水回り設備の移動には制限があります。
特に古いマンションで排水管が階下の天井裏を通っている場合は、設備の移動はさらに難しくなります。
まずは専門家であるリフォーム会社に現地調査を依頼し、水まわり設備の移動が可能かどうかを確認しましょう。
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