崖の近くに建築するときの条件
崖条例で気をつけたいのは、崖の上の高い場所に建築するのか、崖下に建築するのかによって条件が違う点です。
それぞれの条件の違いをご説明します。
崖上に建築するときの条件
崖上に建築するときは、崖の下端から水平の距離が、崖の高さの2倍以上離れている必要があります。
つまり、崖の高さが2mなら崖の傾斜のはじまりである下端から4m以上離れている場所でなければ、建築ができないことになります。
崖下に建築するときの条件
崖下は反対に崖の最も高い位置にある上端から水平に、崖の高さの2倍の距離を離すことが建築の条件です。さらに自分の土地以外で、となりの土地に崖がある場合でもこの規制の対象です。
自分が購入した土地には崖がなくとも、すぐ近くに崖があれば、崖上・崖下のどちらも一定の距離を離す必要があるため、十分に注意しましょう。
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崖条例が緩和される必要条件
崖条例で建てられないエリアに家を建築したい際には、次の条件を満たせば緩和できる可能性があります。
擁壁(ようへき)を設置する
崖条例では擁壁を設置することで、本来の規制よりも近い場所に建築を許可してもらえることがあります。擁壁とは崖部分に施工する壁のことで、ブロックや石などで地盤が崩れることを防止します。
特に海の崖付近の住宅地では、海が目の前にあり後ろは崖という立地が少なくありません。そのような場所では崖全体に擁壁を施し、いざというときの崩壊のリスクを下げているのです。
ただし擁壁の設置は費用が高額になりやすいです。また、定期的な擁壁の点検により、劣化が進んでいないか、現在の法律の基準を満たしているか確かめる必要があります。
家屋の自重で倒壊しない構造にする
家屋そのものの強度を上げて、万が一土砂崩れなどが起きても倒壊を防げる建物の条件を満たした場合崖条例を緩和できます。
具体的には崖の土が滑り落ちても、一緒に家屋が崩れないように基礎を深い位置まで造る深基礎にして、建物自体も補強する方法です。
地盤調査や検査によって建物の強度に問題ないと判定されることが条件ですが、崖上に建築するときには基礎や構造をしっかりと補強する造りについて相談してみましょう。
土砂を食い止める対策をしている
崖下に建築するときには、土砂をせき止めるような対策をすると崖条例の緩和につながります。
たとえば、屋内に土砂が入り込まないよう崖側の開口部をなくし、建物と崖の間に壁をつくる方法があります。
ほかにも、コンクリートブロックなどで設置する土留め(どどめ)という構造物も定番です。普段から砂が流れてくることを防ぎ、広範囲に擁壁を設置するよりも比較的費用を抑えられるメリットがあります。
まとめ:家を建てるなら崖条例の知識を学ぼう
2mまたは3mを超える高さ、30度を超える傾斜の崖に隣接する場所は、各都道府県・自治体における崖条例により建築の規制があります。
特に山や海が近い地域では崖条例に当てはまる傾斜や高さのある土地が多いため、家を建てる際には崖条例について学んでおきましょう。