放置は危険!脂肪肝はお酒を飲まなくても怖い!?医師が解説!

まとめ

  • 非アルコール性脂肪肝は放置すると脂肪肝炎から肝硬変、肝がんへ悪化する事もある病気です。
  • 太っている人や糖尿病の人は、特に腹部のエコー検査が勧められます。
  • 治療には食事と運動が重要です。

みなさん、脂肪肝という病気を聞いたことがあるでしょうか?「お酒を飲む人の病気でしょ?」と思った方もいると思いますが、脂肪肝にはアルコールが原因の脂肪肝とアルコールが原因の主体ではない脂肪肝があります (参考文献 1) 。
今回はアルコールが原因の主体ではない脂肪肝 (非アルコール性脂肪肝疾患 以下脂肪肝) について解説します。

この記事を書いた医師の名前

大坂 貴史

Takafumi Osaka

医師 / 糖尿病専門医 / 医学博士

『糖尿病で不幸になる人を少しでも減らす』ために Twitter、YouTube、ニュースレターで医学情報を発信しています。趣味は料理とワイン。合氣道、居合道、弓道、有段者です。健康は筋肉!

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非アルコール性脂肪肝とは?

非アルコール性脂肪肝疾患は状態がほとんど悪くならない非アルコール性脂肪肝と、病気がどんどん悪くなって肝硬変や肝癌などにもなる非アルコール性脂肪肝炎の二種類があり、この非アルコール性脂肪肝の一部が脂肪肝炎へ移行する (参考文献 2) と言われています。
非アルコール性脂肪肝炎は非アルコール性脂肪肝と比べて肝臓癌になりやすいと言われているため、この違いは重要です (参考文献 2) 。

この脂肪肝のある方では肝癌だけでなく、大腸がんや女性の乳がんの発生頻度が高い (参考文献 2) ほか、心臓病にもなりやすい (参考文献 3) という事が知られており、また脂肪肝の患者さんの多くはメタボリックシンドローム (※) を合併しているため (参考文献 1) 、様々な病気と関連があります。

※メタボリックシンドロームについては過去の記事も併せてご覧ください。