ミニマリストとは、物を極限まで減らし必要最小限の持ち物で暮らす人のこと。無駄を省き本当に必要なものだけを残して生活するという考え方で、環境問題を背景に2012年ごろから増えてきたといわれています。
今回紹介するのは、ミニマリストさんならではの無駄を省いた住宅。またペットとして猫も飼っており、シンプルかつペットにもやさしい設計になっています。ミニマリストさんならではの省スペースでも広く快適に見せる家の作り方だけでなく、ペットと過ごすためにはどのような住宅にすればよいのかなども詳しく解説していきます。
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1.19坪でも広々!床や廊下のスペースを活用
広さ19坪の2LDKで、ミニマリストさんならではのとことん無駄を省いたコンパクトな住宅になっています。ポイントは床や廊下のスペースを活用していること。それでは、具体的にどのような工夫がされているか見ていきましょう。
床にコンセントを埋め込み
ダイニングとリビングの間に床用コンセントを埋め込み、そこから携帯の充電プラグやコタツの電源コードなどをつなげるようにしています。ポイントはコンセントの位置。ダイニングとリビングの中間に置くことで、延長コードがなくても電化製品を使用できるようになっています。
通常であればコンセントは部屋の壁などに取り付けられるため、ダイニングでホットプレートを使ったりリビングでコタツを使う時など、延長コードがないと長さが足りなくて使えない時があります。
床用コンセントを使うことで、延長コードが要らなくなるだけでなくタコ足配線の危険性もなくなります。
廊下で仕事ができる?エマウォールとは
LDKから主寝室につながる廊下の壁には「エマウォール」というホーロー内装材が張られています。ホーローとは食器類などによく使われる、表面がガラスのようにつるつるな素材のこと。この内装材を家の壁面などに取り入れることで、家の中で自由に絵や文字を書くことができます。
この家ではエマウォールを廊下に取り入れ、仕事に活用しています。新しい働き方であるリモートワークが増えた現在、家で仕事をする人も増えてきました。ちょっとした仕事のメモやスケジュールなどを壁に書いたり消したりすることで、仕事の効率がぐっと上がります。
エマウォールは小さな子どもが紙いっぱいにお絵描きをしたいときなどにも使用できるほか、家族間での伝言板としても使用できます。家のスペースを有効活用することで、より楽しく快適な家に仕上げることができるのです。
引き込み戸で両端に家具を置きやすく
脱衣所の扉は引き込み戸を採用しています。引き込み戸とは、壁と壁の間に扉が引き込まれる作りになっているドアのこと。引き戸と違って扉が完全に壁の中に入るため、両側に家具を置きやすくなっています。
壁に収納があって引き戸を施工できない場合でも、引き込み戸であれば解決できることもあります。また通常の引き戸であれば片側にしか物を置けませんが、引き込み戸にすることで扉の両端に収納などを置くことも可能に。
このように、限られたスペースでも工夫して設計することでより住み心地の良い家になります。
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2.奥行きを見せるポイント
19坪とコンパクトな平屋住宅ですが、間取りやドアを活用して広々と奥行きのある空間を演出しています。では具体的にどうしているのでしょうか。ここでは間取りとドアの大きさの2点に着目して紹介していきます。
間取りを工夫して奥行きを
この家は土地の関係で縦長になっているのですが、南側にLDKなど家族みんなで過ごすスペース、北側に書斎や水回りなどプライベートな空間、そして奥に主寝室を配置しています。このように方角ごとに土地の形や廊下を生かした間取りで、家全体に奥行きが出るようにしているのです。
高いドアで広々と
主寝室のドアはハイドアにしている点もポイント。ハイドアとは床から天井までの高さがあるドアのことで、インテリア性が高いだけでなく開放感のある空間も演出できます。また、家具や電化製品の運搬がしやすいこともメリットの一つ。見た目の美しさだけでなく機能的でもある点が魅力的です。