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●「旅先で旨いものを食べたければ、タクシードライバーに聞くのが一番」と言います。そこで、東京のB級グルメに精通する現役タクシー運転手・荒川治さんに、オススメのお店を教えてもらいました。

 タクシードライバーの荒川です。突然ですが、私はハンバーグが大好きで、名店と呼ばれるハンバーグを食べに行くのが趣味の一つ。とくに東京・池袋はハンバーグの老舗や名店が多い街なので、乗務の日に池袋周辺にいれば、休憩中にいろいろなお店のハンバーグを楽しみに行きます。そんな“ハンバーグ・レベル”が高い池袋に、2019年にできたのが『ハンバーグは飲み物。』というお店です。

『カレーは飲み物。』や『とんかつは飲み物。』という店名を聞いたことがある人もいると思います。この“〇〇は飲み物”系のお店は、同じ会社がやっていて、一番有名な『カレーは飲み物。』は都内を中心に幾つか店舗があり、私もときどき行きます。

 しかしこの『ハンバーグは飲み物。』は、実は池袋にしかありません。ハンバーグの名店が多い池袋であえて勝負しようという気概を感じるお店なのですが、実は最近まで行ったことがありませんでした。


池袋西口から徒歩5分ほどの場所にあります

 しかし、いざ食べてみたら、これがめちゃくちゃ美味しくて、すっかりハマって何度も通っています。そこで今回は『ハンバーグは飲み物。』が一体どんなお店で、どんな魅力があるのか、ご紹介したいと思います。

牛タンとハンバーグのダブル肉定食がウマすぎる

 まず、この店のハンバーグについて語る前に、いろいろなオマケがあることをお伝えしておかねばなりません。

 お店に行くと、最初に券売機でメニューを選ぶことになります。基本のハンバーグは「粗びきビーフハンバーグ定食」(1290円)。そしてもう1つが「牛タンのせ粗挽きビーフハンバーグ」(1790円)です。私のおすすめはダンゼン後者です。煮込んだでっかい牛タンが2つハンバーグにのった“肉×肉”のパワフル定食です。

 定食を選んだら、続いてハンバーグのソースを次の5種類から選びます。内訳はデミグラス、テリヤキマヨ、マスタード、トマトソース、おろしポン酢。さらにライスの量(小盛120g〜山盛400g)や、ハンバーグにのせる有料トッピング――たとえばチーズなど――を選んで、お会計を済ませます。


最初に券売機でメニューをチョイス

 お会計を済ませたら空いている席に移動。するとすかさず店員さんがやってきて、注文したメニューの書かれた紙を渡され、「無料トッピングから3つ選んで、ここに◯をつけてください」と言われるのですが、この無料トッピング、なんと10種類もあります。


無料トッピングが10種類もあって迷うこと必至

 その10種類とは、1.野菜ジュース、2.豆サラダ、3.キムチ&もやしのナムル、4.きゅうりの浅漬け、5.たこ焼き、6.豆乳ソーメン、7.生玉子、8.フライドガーリック、9.マカロニサラダ(カレー味)、10.マーラー冷奴。この無料トッピング、『カレーは飲み物。』や『とんかつは飲み物。』でも実施している定番サービスです。


豆サラダ、たこ焼き、マーラー冷奴をチョイス。こんなふうにライス&味噌汁と一緒にトレイにのせられて提供されます

 先日は、豆サラダ、たこ焼き、マーラー冷奴をチョイスしたのですが、写真のような感じでライス&味噌汁と一緒にトレイに載って提供されます。ソースはデミグラスソース一択。その理由は後述します。


「牛タンのせ粗挽きビーフハンバーグ」(1790円)。ソースはデミグラスソース

 そして「牛タンのせ粗挽きビーフハンバーグ」(1790円)が運ばれてくるわけですが、もう、なんというか、肉塊を積み上げたような状態で、すごいパワフルな見た目でしょ。デミグラスソースがマグマのようにグツグツと音を立てていて、そこにゴツいハンバーグとこれまたゴツい厚切りの牛タンが2個も。

 ハンバーグと牛タン、どっちがメインなのかわからなくなるくらい、それぞれがデカい!食べてみると牛タンは繊維がホロホロと崩れて柔らかく、ハンバーグはかなり粗挽きのゴロゴロひき肉で、弾力ある肉々しい食感。ジューシーさもちゃんとあって、一口いただくと、口中が肉で充満するよう。


フォークで大きな牛タンを持ち上げると、ハンバーグとの間にはポテサラが入っています

 そして甘すぎず芳醇でコク深いデミグラソースが、牛タンとハンバーグを絶妙な感じで取り持ってくれます。そして牛タンとデミグラスソースの相性は言うまでもなく最強。まるで高級なビーフシチューをいただいているような気分に。これがデミグラスソースをおすすめする理由です。こんなに肉々しいのに、まるで飲み物の如く一気に完食できる美味しさです。

●SHOP INFO

店名:ハンバーグは飲み物。

住:東京都豊島区池袋2-4-1
TEL:03-6384-7955
営:11:30~15:00、17:30~21:30
休:無休

(撮影・文◎土原亜子)

●著者プロフィール

荒川 治
東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。