〝水〟をテーマにした「ブシュロン」の圧巻のハイジュエリーコレクション〝OR BLEU(オル ブルー)〟

希少な宝石の数々、クリエイティビティー、そして緻密(ちみつ)な職人技――。ハイジュエリーの世界には各メゾンのあらゆる要素が凝縮している。パリで6月にハイジュエラーが発表した、豪華な新作コレクションの数々を現地からお届けする。

ICEBERG(氷のかけら)

アイスランドのダイヤモンドビーチと呼ばれる、黒い砂浜に氷が輝く幻想的な光景からインスピレーションを得た「アイスバーグ」。砂浜に打ち上げられた氷の質感を忠実に表現するため、ロッククリスタルをサンドブラスト加工でつや消ししている。様々なボリュームのロッククリスタルの下にはダイヤモンドを直接埋め込み、メタルフレームの視認性を最小限にすることで、まるで石が首元に浮かんでいるような錯覚を起こす。

〈左〉© Photography by Jan Erik Waider〈中〉ネックレス(ダイヤモンド、ロッククリスタル、ホワイトゴールド)、〈右〉イヤリング(ダイヤモンド、ロッククリスタル、ホワイトゴールド)

(広告の後にも続きます)

EAU VIVE(奔流)

アイスランドの荒々しく押し寄せる水しぶきを写実的にとらえたショルダージュエリーも圧巻。完璧なシンメトリーにするため、3Dソフトを使用し砕け散る波の一瞬を切り取り、長方形のアルミニウムのブロックを彫刻した。冷たい水の美しさに輝きを加えるために、パラジウム浴(電気化学浴)で表面処理をし、更にダイヤモンドをちりばめた。強力なマグネットを作品の裏側に仕込むことで、肩に簡単に装着でき、衣服の下から位置を調整し固定することができる工夫も施されている。

〈左〉© Photography by Jan Erik Waider〈中、右〉ショルダージュエリー(ダイヤモンド、パラジウム、アルミニウム、マグネット)

細部にまで手作業にこだわる伝統的なハイジュエリーの技術と、最先端技術を融合させた革新的なコレクションは、大自然の中でいかようにも形を変え続ける水のあらゆる姿を表現し、また同時にジュエリーの装着を極力シンプルにするための工夫が見られた。

text: Keiko Suyama

・動物が隠れる詩情豊かな「ディオール」の新作ハイジュエリー「ディオラマ & ディオリガミ」
・動物がたわむれるプレイフルな「カルティエ」の新作ハイジュエリーコレクション“ナチュール ソヴァージュ”