中華デートでこの銘柄を知っていたらツウ!料理に合せたい紹興酒&白酒6選

フレンチにワインが合うように、中国料理には紹興酒や白酒(バイジョウ)などの中国酒が合うのは、いわずもがな。

日本での流通量が少ないお酒だけに情報も少ない。でもだからこそ、中国酒を理解して人気の銘柄を知っていると格好いい!

そこで、中国酒の知っておくべき知識を専門家に聞いた。

中華デートなどのシーンで選んで味わうのにおすすめの6種をご紹介!



教えてくれるのは……



中国郷土料理店『黒猫夜』に9年、中国酒専門の販売サイトに4年携わり中国酒の美味しさを伝える。昨年9月日本初の中国酒ガイドブック『黄酒入門』(誠文堂新光社)を上梓。

著しい進化を遂げ、ついに中国酒が世界を魅了し始めた!



日本ではまだまだ日常的に飲まれる機会が少ない中国酒。それゆえ、その特徴はあまり知られていない。そもそも「中国酒」とはどんな酒なのか?

まず入門編として押さえておくべきは「紹興酒」だ。

紹興酒は、醸造酒に分類される酒で日本酒と同じ分類。中国では醸造酒全般を黄酒(ファンジョウ)と呼び、中でも浙江省紹興市でつくられた黄酒のみを紹興酒という。

産地だけでなくもち米と麦麹、市内にある鉴湖(カンコ)という湖の水を原料にすることが必須条件で品質も含め国の厳しい基準がある。



◆食中酒でライトに楽しむのがこなれてる!美食に合わせる紹興酒3選

香りが複雑で重い飲み口だった紹興酒だが、最近は軽さを追求する傾向にある。

そこで食事に合わせやすい3本を選んでもらった。



1.ワイングラスで嗜む富裕層好みの華やかさ

「石庫門(シークーメン)12年」



「上海で醸される12年熟成の黄酒です。紅茶のように華やかな香りで、飲むと酸味のほかに優しい甘みも感じられる。

口当たりが良いのでワイングラスでストレートで味わってほしい1本です。ボトルもブランデーを意識したようでお洒落」

¥4,510/酒中旨仙



2.流行を押さえるならノンカラメルの自然派一択

「西塘(シータン)本酒 10年」



「浙江省嘉興市(せっこうしょうかこうし)の黄酒でノンカラメル。だから、液色はクリアなゴールドで味わいも柑橘系のさわやかさがあり軽やか。余韻に優しい甘みが残ります。

紹興酒の入門編に最適で、苦手な方も飲みやすいはず。中国料理だけでなく、チーズにも合う」

¥1,280/東方新世代



3.人気店で最近よく見る気鋭の酒蔵発の冷酒

「東湖(ドンフー)12年」



「紹興酒特有の酸味と複雑な香りがマイルドでバランスの良い味わいです。この1本を飲んでダメだったら、もう紹興酒は無理という試金石になるようなお酒です。

冷やすとジューシー感がアップするのも特徴。合わせる料理を選ばないのも魅力」

¥3,630/酒中旨仙

次に、白酒(バイジョウ)は焼酎と同じ蒸留酒。中国では紹興酒より一般的なお酒で、中国全土でつくられている。

多くは高粱(コーリャン)というイネ科の穀物が主な原料だが、銘柄によってお米などさまざま。地域色も含めた多様性が白酒の面白さだ。

また、香型(シャンシン)という香りで分類を行うのも特徴。最も代表的な型が濃香(ノンシャン)で、濃厚だが清らかな香りが特徴で白酒の半分以上を占める。



◆新たな銘柄も続々誕生。まさにブレイク直前!先取りしたい白酒(バイジョウ)3選

高貴な香りが特徴の白酒は、レストランで蘊蓄を語るのに、実は最適な1本。

トレンドや味わいを知って、通を気取ろう。



1.輸出困難と謳われた有名産地が誇るブランド

「四特酒(ヨントクジョウ)」



「白酒の産地として有名な江西省のお酒です。原料がお米のため日本人にも親しみやすい、まろやかで優しい味です。

アルコール度数は52度と高いですが刺激は少ない。エステル香と呼ばれるフルーティな発酵臭も豊かで“特香”というほかにない香型に分類されます」

¥7,979/東方新世代



2.中国全土で愛される気軽ながら妖艶な一本

「孔府家酒(コンフージャージョウ)」



「山東省曲阜市(さんとんしょうきょくふし)でつくられる濃香の白酒で、アルコール度数は39度と低く、入門編に最適。

高粱が原料ですが、地元のミネラルウォーターも使い、日本酒の吟醸香を思わせる、カプロン酸エチルの香りが匂い立つようにあえて仕上げているのが特徴」

¥1,780/華僑服務社



3.リキュールの如き、ソーダ割りが洒落てる

「MING・RIVER(ミン・リバー)」



「アメリカ、ドイツ、中国の専門家が手を組んで開発した白酒がこれです。

カクテルベースで使えるよう、すっきり仕上げた濃香だけど、そのまま飲んでも白酒らしさがちゃんと香って美味しい。ラベルもお洒落で、初体験の方にぜひオススメです」

¥5,775/永昌源

これまで中国酒づくりの現場では「伝統厳守を美徳とする価値観」が根強く閉鎖的だった。だが近年、事態は変わりつつある。

たとえば、伝統的にアルコール度数50度のものが多かった白酒だが、軽めの味わいを好む現代人の嗜好に合わせて30度台がつくられるようになってきている。

また、アメリカやドイツの専門家と手を組んだ白酒も登場するなど、つくる側の意識が変わりつつある。

また紹興酒も同様に、日本で有機栽培を学んでから紹興で原料のための土づくりから始めた銘柄の誕生や、これまで着色とツヤ出しのために使われていたカラメルを添加しない、いわゆるノンカラメルも増えている。

このような中国酒が、オーガニックや無添加に対する意識が高まる今、注目を集めている。

また、これまで、中国酒には食事に合わせてペアリングで楽しむという概念がなかったという。その経緯について門倉さんはこう語る。

「癖が強い味わいの酒が多かったことに由来します。ただ、新しい中国酒の誕生に伴い、今後は日本でも多様な銘柄を飲食店で楽しむというのがトレンドになりそうです。

僕が食事に合わせるなら、塩味が軽やかな中華にはノンカラメルの冷やした紹興酒、スパイスや羊肉など味わいの強い中華なら白酒をトニックで割って香りを楽しみたいですね」



【粋に楽しむための大人のお作法とは?】

オーダー方法で中国酒「通」な自分が演出できる



熟成年数で語られてきた紹興酒だが、今後はメーカー名で注文を。

たとえば、大手メーカーだが流通が少ない『古越龍山』(こえつりゅうざん)の名を挙げたり、『古越龍山のノンカラメル』を頼むと通ぶれる。白酒なら香型を尋ねるのがおすすめ。



▶このほか:「虎ノ門ヒルズ」に誕生した、いま話題の“北京ダック”専門店!高級中華を気軽にデートで楽しめる!