40代半ばから、食生活の乱れと運動不足がたたり激太りをしていったのを機に、常に尿漏れとの闘いになっていった私。くしゃみやせきのたびに漏れ、トイレの後も腰を上げただけでも漏れるように。何とか尿漏れを止めようと、くしゃみやせきをする前には立ち止まり、おまたにぐっと力を入れてみても無駄でした。もう対策を講じるしかないと思い、骨盤底筋体操を試してみた結果をお伝えします。

そもそも骨盤底筋って何?



かつては尿漏れなど人に話すのは恥ずかしいと、誰にも言えずにひっそりと隠していた中高年女性が多かったそうですが、今はオープンになり、その悩み解決のための体操教室もあちこちで開催されています。そこで私は、その教室を手軽にオンラインで受けてみることにしました。

最初に講師の先生より説明を受けたのが、人体模型を使って骨盤底筋の位置を確認すること。そこで骨盤底筋は筋肉だということを知りました。骨盤自体は腰周りをがっちり覆っているバケツ状の骨ですが、その底にあたる膀胱や直腸、子宮といった大切な臓器を支えている部分に骨はなく、骨盤底筋という筋肉しかないのです。しかも、女性には穴が3カ所あるではありませんか。

何もケアをしていないと、徐々に骨盤底筋は弱ってしまい、それに連動するように膀胱の機能も衰えて締まりも悪くなり、尿漏れを発生させてしまうそうなのです。さらに放置していると、便失禁や臓器脱(臓器が腟から外へ出てきてしまう病気)の恐れもあるということでした。

ちなみに、骨盤底筋が弱る原因ですが、妊娠・出産だけではなく、肥満や加齢、便秘、姿勢の悪さなども関係しているのだとか。誰でも尿漏れの可能性があることを知り、少しほっとしました。

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まずは呼吸の仕方が大切だった



骨盤底筋の説明後、早速、ピラティスと掛け合わせた骨盤底筋体操が始まりました。最初に教わったのが呼吸の仕方。正直なぜ呼吸が体操に関係があるの?と思ったのですが、これが大ありでした。

大前提として、エクササイズであるピラティスは胸式呼吸になります。まず、しっかり肺に空気を送り込むために、鼻から息をたっぷり吸います。その後、口からすべての息を吐き出すのですが、ここが注意すべきポイントでした。おなかを薄く平らにし、上に上にと引き上げるようにしながら息を吐くのです。すると、3カ所の穴がキュッと締まる感覚があります。この感覚が持てて初めて、骨盤底筋に効果が出るそうなのです。

そして、おなかを薄く引き上げる呼吸と合わせて、立ったり、あぐらをかいたり、あお向けになったり、おしりから腰を上げるショルダーブリッジをしたり、横向きになったりとさまざまな体勢でピラティスの簡単な動きをおこなっていきました。

初めはなかなか呼吸も動きも習得できず、おなかをぐっとへこませてしまったり、腰やおしりに無駄な力が入ったりして、骨盤底筋を確認することができませんでした。焦らず、形だけにとらわれずに、自分の体と対話しながら続けていったのです。