トロピカルなイメージの代表花「プルメリア」は、世界の熱帯地域で親しまれている熱帯花木で、近年のハワイアンブームなどの影響で、日本でも鉢植えを入手することができるようになりました。日本で育てられるプルメリアの特徴や季節に合わせた育て方、コンパクトに鉢植えで育てるのにおすすめの種類について園芸のプロが解説します。身近に育ててトロピカルな香りを楽しみましょう。
プルメリアの基本情報
植物名:プルメリア
学名:Plumeria sp.またはPlumeria cv.
英名:Plumeria
和名:プルメリア
その他の名前:テンプルツリー(Temple tree)、フランジパニ(Frangipani)、チャンパー(champa)
科名:キョウチクトウ科
属名:インドソケイ属(プルメリア属)
原産地:熱帯アメリカ
分類:常緑性または落葉性、低木または高木
プルメリア(Plumeria)は、キョウチクトウ科プルメリア属に分類され、熱帯アメリカ原産の常緑、または落葉性の花木です。高さは、50cm〜10m。過湿を嫌いますが、乾燥には強く、多肉植物に近い性質です。意外と手間いらずで長期間開花するので、世界の熱帯地域で広く栽培されています。
‘インカゴールド’
熱帯原産のプルメリアは、寒さに弱く戸外では越冬できません。ただし、室内に置いて断水すれば比較的容易に冬越しできます(詳しい育て方は後半で解説)。
温暖な沖縄では地植えで育てられますが、強風に弱く、台風が直撃すると大きく育ったプルメリアが根元から折れるなど甚大な被害を受けることがあります。そのため、沖縄などでは思ったほど植栽されていません。
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枝などを切ったときに出る白い乳液は毒性があり、服などに付くとシミになるので注意が必要です。もし肌に触れてしまった場合は、すぐに水で洗い流しましょう。
プルメリアにはたくさんの別名があります。ハワイではメリニ、その他の熱帯の国々ではフランジパニという名前も主流です。また、ラオスでは国花とされ、チャンパーと呼ばれています。東南アジアでは墓地やヒンズー教などの寺院に多く植えられることから、テンプルツリーの名もあります。
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プルメリアの花や葉の特徴
園芸分類:熱帯花木
開花時期:6~10月
樹高:50cm~10m
耐寒性:弱い(冬期は断水することで約0℃まで耐えられる)
耐暑性:強い(世界の熱帯地域に広く分布)
花色:白、黄、ピンク、赤、複色
プルメリアは、数枚の丸みを帯びた花弁が、中心から放射状に広がって咲く花です。
花弁の色はピンクや赤、黄などの単色があるほか、複数の色が入り混じった複色の花もよく見られます。花の中央が黄色で、外側に向かって白やピンクに変化するタイプが有名です。
なお、葉も花弁と同じく丸みがあり、細長い形をしています。
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プルメリアの花はフローラルな甘い香りがするのも魅力で、香水の原料にもなっています。また、ハワイをはじめ、タヒチやフィジーなど太平洋の島々では、プルメリアの花がレイにも使われています。