関節リウマチでも加入できる保険はある?治療費や加入できる可能性のある保険を紹介

関節リウマチの治療で、利用できる可能性がある社会保障制度5つ

関節リウマチの治療をする際は、以下の社会保障制度を活用することで治療費の自己負担を軽減できる場合があります。

関節リウマチの治療で利用できる可能性がある社会保障制度

医療費控除

傷病手当金

身体障害者福祉制度

介護保険制度

高額療養費制度

悪性関節リウマチや、シェーグレン症候群などの合併症を発症している場合は「指定難病」として、医療費助成を受けられる場合もあります。

1. 医療費控除

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定の基準を超えた場合に、所得から一定額を差し引ける制度です。

医療費控除の対象となる金額は、以下の計算式で求められます。

(実際に支払った医療費の合計額 – 保険金などで補てんされる金額)- 10万円(※)
※所得が200万円未満の方は、所得の5%

医療費控除を申請するには確定申告を行う必要があるため、医療費控除の明細書や領収書は必ず保管しておきましょう。

年末調整での申請はできないため、会社員の場合も確定申告が必要です。

詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

確定申告の医療費控除とは?いくらからもらえるのかシミュレーションや申請方法を解説

2. 傷病手当金

傷病手当金とは、病気やケガで4日以上連続で仕事を休んだ時に健康保険組合から給付金を受け取れる制度です。

会社員や公務員などが加入する「健康保険」の制度のため、自営業が加入する「国民健康保険」に傷病手当金の制度はありません。

傷病手当金

支給期間:最大1年6ヶ月

1日あたり支給金額:(傷病手当金の支給開始日以前の継続した12ヶ月の平均月額)÷30日×2/3

関節リウマチで休業が必要になった場合は、傷病手当金で生活費をある程度カバーできるでしょう。

傷病手当金をもらう際は、各健康保険組合が定める所定の書類や診断書の提出が必要になります。

実際に給付金を受け取るまでに、数ヶ月かかる場合もあるため注意しましょう。

より詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

傷病手当金とは?退職後の支給条件や期間、申請・計算方法をわかりやすく解説

3. 身体障害者福祉制度

身体障害者福祉制度とは、障害者の日常生活をサポートする制度です。

関節リウマチの方は、市区町村の窓口で申請すると身体障害者手帳の公布を受けられる場合があります。

自治体によっても異なりますが、身体障害者手帳を所持することで受けられる支援・サービスには以下のようなものがあります。

身体障害者手帳を所持することで受けられる支援・サービスの例

医療費や補助具、リフォーム費用の助成

自動車税の減免

鉄道・バス・タクシー運賃の割引

NHK放送受信料の減免

参照:障がいのある人のために|成田市

ただし、身体障害は1〜7級までの等級があり、受けられるサービスに違いが出る可能性があります。

また、自治体によって障害の認定基準に違いがある場合や、交付を受けるまでに数ヶ月かかるケースもある点には注意しましょう。

4. 介護保険制度

介護保険制度とは、40歳以上が加入する保険で介護サービスを受けた場合の費用負担を軽減できる制度です。

介護保険制度の利用者は65歳以上の「第1号被保険者」と、40〜64歳の「第2号被保険者」に分かれます。

第2号被保険者の場合は「特定疾病」と呼ばれる、主に老化を原因とする病気によって要支援や要介護が必要になった場合のみサービスを受けることが可能です。

介護保険制度において、関節リウマチは特定疾病に認定されているため、第2号被保険者でも介護保険サービスを受けられます。

医療保険と介護保険の違いとは?優先順位や併用可能かわかりやすく解説

5. 高額療養費制度

高額療養費制度とは、1ヶ月に支払った医療費が年齢や所得に応じて決定されている上限額を超えた場合に、超えた分の払い戻しを受けられる制度です。

関節リウマチでの高額の医療費がかかったとしても、高額療養費制度を活用すれば1ヶ月あたり数万円程度の自己負担額で済む可能性があります。

ただし、高額療養費制度の限度額は1日〜末日の1ヶ月間にかかる治療費に対して適用されるものです。

月またぎで高額な医療費がかかった場合、それぞれの月の上限額までが自己負担となる点には注意しましょう。

高額療養費制度はいくら以上から適用?申請方法や年代別の計算方法をわかりやすく解説

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関節リウマチでも入れる可能性のある保険

関節リウマチになると生命保険に加入するのは難しいのでは?と思われる方もいるかもしれません。

しかし、以下の保険であれば加入できる可能性があります。

関節リウマチでも入れる可能性のある生命保険

通常の生命保険(医療保険・死亡保険)

引受基準緩和型の生命保険

無選択型の生命保険

がん保険

それぞれの保険の特徴を解説します。

1. 通常の生命保険(医療保険・死亡保険)

保険会社は申し込み時の「告知」をもとに加入審査を行います。

告知とは保険契約の公平性を担保するために、保険会社に対して現在の健康状態や過去の傷病歴を申告することです。

審査基準は保険会社によっても異なりますが、関節リウマチでも現在の症状や治療期間などによっては、通常の死亡保険や医療保険に加入できる可能性があります。

しかし、医療保険については加入できる保険会社は少なくなっています。

完治してから2年が経過しているか、人工関節を入れているかなど、保険会社によって基準は様々です。

告知すべき内容は保険会社によっても異なりますが、病名や服薬名、治療期間などをありのまま正確に告知しましょう。

通常の保険を検討される方は、保険会社へ相談または保険のプロであるファイナンシャルプランナーなどへの相談がおすすめです。

また、「保険料の割増」や「特定疾病・特定部位不担保」など、特別な条件つきでの加入を求められるケースもあります。

「特定疾病・特定部位不担保」とは?
特定の病気や部位を一定期間保障対象外とすること。

より、自身の希望に合うように複数社比較し検討してみましょう。

2. 引受基準緩和型の生命保険

通常の保険への加入が難しい場合は、引受基準緩和型保険を検討しましょう。

引受基準緩和型保険は、通常の生命保険よりも告知項目が少なく持病や既往症があっても入りやすい保険のことです。

引受基準緩和型保険には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

引受基準緩和型保険のメリット

通常の保険よりも告知項目が少ない

加入前の持病(既往歴)も保障対象に含まれる

引受基準緩和型保険のデメリット

通常の保険よりも保険料は割増されていることが多い

契約後から一定期間は給付額が削減される

通常の保険と比べて加入しやすい反面、保険料や保障内容に関しては注意すべき点が多い保険です。

加入できる商品や特約の選択肢が少なくなることもあるので、まずは通常の保険を検討してから、引受基準緩和型保険を検討しましょう。

引受基準緩和型保険とは?入るべきかメリット・デメリットや選び方から解説

3. 無選択型の生命保険

無選択型の保険(医療保険・死亡保険)は、保険会社への告知が一切不要な保険です。

そのため、持病にリウマチがある方でも加入しやすくなっています。

無選択型の生命保険のメリット

加入の際に健康状態の告知の必要がない

持病や既往歴のある人でも加入できる

年齢による加入制限が緩い

無選択型の生命保険のデメリット

通常の医療保険よりも保険料が高い

病気の場合は加入してから一定期間は保障対象外となる場合がある

加入してから一定期間は保険金額が削減されることがある

告知の必要がなく、年齢による加入制限もない反面、引受基準緩和型保険よりさらに保険料は割高になる傾向があります。

さらに、加入後一定期間は保障対象外となる場合や保険料が減額される場合があるため、加入の際にはよく検討しましょう。

また、個人年金保険も無選択型の保険であり、持病のある方でも加入がしやすいです。

老後の生活費に備える方法として、保険を検討されている方にはおすすめです。

無選択型保険のメリットとデメリットをプロが分かりやすく解説

4. がん保険

がん保険は、がんや上皮内新生物のみを保障の対象としている保険です。

そのためがん保険の審査や告知は、がんになりやすい持病や健康状態を持つ方が入りにくいという傾向があります。

がんとの関連性があまりない病気であれば加入できる可能性が高いため、関節リウマチであれば加入できる可能性があります。

保険商品の告知内容を事前に確認してもわからない場合は、保険会社へ問い合わせするか、保険のプロであるファイナンシャルプランナーに相談しましょう。

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