【皮膚科医が解説】頭のかゆみや乾燥が気になる!頭皮トラブルの原因と対処法を詳しくご紹介

夏が近づき気温が上がる頃や、秋になり空気が乾燥してくる季節の変わり目に、頭皮にかゆみを感じたり湿疹ができたりとトラブルが増えていませんか? トラブルに対処し健康な状態に保つにはどのようなケアをすれば良いのか、皮膚科医が解説します。

吉岡 容子 先生

via www.takanashi-hp.com

東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。 麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。 院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・ 美容皮膚科を開設。副院長として勤務しています。

頭皮トラブルの種類と原因

1年を通して頭皮トラブルで皮膚科を受診する方は一定数います。年齢層は10代の若い世代から80代くらいまでの幅広い年齢層におよびます。特に数が増えるのは春先から夏にかけてです。主な症状はかゆみや湿疹ですが、原因はそれぞれだと考えられます。

春先に多いのは花粉の付着による皮膚炎

花粉症の季節には花粉の付着による肌トラブルを起こす方が増えますが、頭皮も皮膚の一部なので同様にトラブルが多くなります。炎症が起きるとかゆくなったり赤くなったりします。

春から夏にかけては汗と紫外線に注意

夏にかゆみが出る原因の多くは汗です。かゆみがひどくなると湿疹になり、かいてしまうと乾燥して頭皮が硬くなってしまい、さらに悪化すると皮膚がはがれてきます。
また、紫外線によるダメージでも皮膚が乾燥してかゆくなったり硬くなったりすることがあります。
日差しが強いと帽子を被る人も多いですが、汗をかく季節に帽子を被る機会が多い人は頭皮トラブルを訴える傾向にあります。特に髪の毛の量が多い方はムレやすいので注意が必要です。ムレによるかゆみは男性の方が起こしやすいですが、女性も汗をかく量が多い若い世代の方は気をつけましょう。

秋冬のトラブルは乾燥から

寒い季節に気になるのは乾燥によるかゆみです。頭皮も顔や体の皮膚と同様、冬は乾燥しやすくなり、トラブルになりやすいです。

シャンプーやコンディショナーが刺激になっていることも

季節を問わずトラブルの原因になっているのが、普段使っているシャンプーやコンディショナーによる刺激です。市販品でよく泡立つものは界面活性剤によって強い洗浄力を発揮するものが多いですが、肌に合わなかったり刺激が強すぎたりすると頭皮が炎症を起こすことがあります。また、流し切れずにシャンプーが頭皮に付着したままになっていて、トラブルになるケースもあります。

頭皮トラブルはお顔のトラブルにもつながる

皮膚は体全体でつながっていますので、頭皮にトラブルが起きるとすぐ近くにある顔の皮膚にも同じようなトラブルが起きやすくなります。湿疹や炎症が顔にも出やすくなるので注意してください。
頭皮が硬くなると顔もたるみやすくなったり、くすみや小じわの原因になったり、美容にも良くありません。皮膚がガサガサになったり色素沈着を起こしたりする前に、何か症状があるときは早めの治療を心がけましょう。

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頭皮トラブルが起きたときの対処法

頭皮にトラブルが起きても、皮膚の状態は自分で確認しにくいものです。ある程度は鏡で見ることもできますが、後頭部になるとやはり見にくいと思います。
かゆみや違和感を覚えたときは自己判断せず、なるべく早めに皮膚科を受診して、適切な治療を受けることをおすすめします。

皮膚科では塗り薬で治療

受診すると、素早く症状を抑える塗り薬を処方されるのが一般的です。皮膚が乾燥している場合には保湿剤が出されることもあります。頭皮ニキビができている場合は、ニキビの薬が適用されます。
湿疹がひどいときは通常のシャンプーでは刺激が強いこともあるので、そうした場合には肌にやさしいものや、湿疹の肌にも使える専用のシャンプーを紹介してもらえることもあります。

自宅での洗髪方法も見直しを

頭皮にトラブルが起きる人は、普段使用しているシャンプーやコンディショナーが肌に合っていないことも考えられます。まずはシャンプー剤の見直しを検討してみましょう。
乾燥が気になる方は、洗い過ぎている可能性もあります。洗髪は基本的に夜1回で十分です。朝シャンプーをするのは、寝ている間にかいた汗がどうしても気になる場合だけにして、日常的に朝晩シャンプーするのを習慣にするのは避けましょう。

汗による頭皮トラブルは女性の場合、後頭部の生え際から首にかけて起きる人が多いです。首周りは髪の毛が当たって刺激になると症状が悪化してしまうことがあります。髪はまとめてすっきりさせ、なるべく皮膚に刺激を与えないようにしましょう。

保湿で頭皮の状態を整える

軽いかゆみ程度であれば、セルフケアで改善することも可能です。特に乾燥が原因の場合は保湿することで症状がやわらぐこともあります。
顔は洗った後に化粧水や美容液で保湿するのに、頭皮は洗いっぱなしという人が少なくありません。頭皮も皮膚の一部なので、洗髪後はきちんと保湿してあげましょう。
顔に使っている化粧水や美容液を少量手に取って揉み込む方法でも構いませんし、頭皮専用の美容液や発毛剤、育毛剤などを使ってケアするのも良いでしょう。

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慢性的にトラブルが起きる場合は受診を

かゆみが慢性的に続いているときは、水虫を始めとする真菌症、ダニ、しらみなどが原因になっていることもあります。症状に合わせて適切に治療をするためにも、早めの受診をおすすめします。