キッチンで調理や片付けをしているとき、寸法が合っていないと感じたことはありませんか。
調理中に腰が痛くなったり、作業スペースが狭くて効率が悪かったりと、さまざまな不便を感じている方も多いでしょう。
自分に最適な寸法でキッチンを設計すると、体への負担が少なく、作業効率も大幅に向上します。今回は、快適なキッチンライフを実現するための寸法の基本をご紹介します。
1.代表的なシステムキッチンの寸法|間口・奥行き
日本の住宅でよく採用されているのは、シンク・コンロ・作業台・収納などが一体化されたシステムキッチン。一般的なシステムキッチンの規格サイズは、下記のような間口(幅)や奥行きになっています。
I型 | 180~300cm | 60cm・65cm |
ペニンシュラ型・アイランド型 | 180~270cm | 75~100cm |
間口は通常15cm刻みで設定されていますが、中には1cm刻みで対応できるメーカーも。
システムキッチンでもオーダーメイドのようにサイズ調整できる製品もあるので、部屋のサイズに合わせて隙間なくキッチンを設置したい場合や、特殊な間取りにお住まいの場合などには採用を検討するとよいでしょう。
奥行きについては、I型やL型の主流は65cmです。ただし、小さな家では60cmの方が使いやすい場合もあります。
天板がフルフラットなペニンシュラ型・アイランド型キッチンでは、リビング側への水の跳ね返りを考慮して75〜100cm程度と広めに設定されていることが多いです。
使いやすいキッチンの通路幅
システムキッチンの奥行きは、通路幅も考えながら決めましょう。
1人でキッチンに立つ場合、通路幅は90cm以上あると良いとされています。2人以上でキッチンに立つなら、すれ違いやすいように120cm以上を確保するのがおすすめです。
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2.理想的なコンロ・シンク・作業スペースの寸法
システムキッチン全体の間口や奥行きが決まったら、コンロ・シンク・作業スペースの寸法も決めましょう。
バランスよく配置することで、下ごしらえや洗浄、加熱、配膳などの行程をスムーズに進められます。
作業しやすい寸法の目安
コンロの幅:60~90cm
シンクの幅:60~120cm
作業スペースの幅:60~90cm
2-1.コンロの幅
ガスコンロやIHクッキングヒーターは、2〜3口で幅60cmのものが一般的です。家族の人数が多かったりフライパンや鍋が大きかったりする場合は、幅75cm程度あると使いやすいでしょう。
さらに幅が広いコンロもありますが、広めのキッチンでなければ設置が難しいので注意が必要。コンロの奥行きは51cm前後が一般的です。
2-2.シンクの幅
シンクは幅70~80cm程度が主流です。奥行きは40cm以上あると、大きなフライパンや鍋も洗いやすい広さになります。
シンクが広いほど洗い物はしやすいですが、その分作業スペースが狭くなり、下ごしらえや配膳がしにくく感じることも。また、水切りカゴや据え置き食洗機を置く場合は、そのスペースも確保しましょう。
2-3.作業スペースの幅
食材を切ったり盛り付けたりする作業スペースは、コンロとシンクの間に設けられるのが一般的。最低でも幅45cm程度は必要で、さまざまな材料や調理器具を置きながらストレスなく作業するには幅60cm以上が目安です。
必要な作業スペースのサイズは、普段の家事の進め方や使用する調理器具によっても異なります。食材やボウル、まな板などを置けるゆとりがあるか、実際の調理中の動作をイメージしながら決めましょう。
また、小さなキッチンで十分な作業スペースが確保できない場合は、シンク上に置いて使用するボードや、移動可能な作業台として使えるキッチンワゴンなどを活用する方法もあります。