3.使いやすいキッチン寸法|高さ
使いやすいキッチンを実現するには、身長に合わせたワークトップの高さを決めることがとても大切です。
適切な高さは作業効率を上げるだけでなく、身体への負担も軽減します。同時に吊り戸棚の高さも考えることで、さらに使いやすいキッチン空間を実現できます。
3-1.身長に合わせた高さの決め方
システムキッチンのワークトップの高さのJIS規格は80cm・85cm・90cm・95cmと5cm刻みで、商品によっては2.5cm刻みや1cm刻みなどで調整できるものもあります。
高すぎると肩や腕に負担がかかり、低すぎると前かがみの姿勢で腰や背中に負担がかかるため、身長に合わせて選ぶのがポイントです。
使いやすいキッチンの高さの目安=身長÷2+5cm
使いやすい高さには個人差もあるため、ショールームやご自宅のキッチンでの使用感などをもとに選びましょう。
3-2.吊戸棚の高さ
吊り戸棚の高さも、キッチンを使う人の身長を考慮するのがポイントです。
吊り戸棚の下端を目線から10〜15cm下(身長より20〜25cm低い位置)にすると、棚の奥まで見渡しやすいと言われています。なるべく踏み台を使わず、手の届く範囲で収納を作りたい場合は、上端を身長+15cm程度までに抑えるのがおすすめです。
吊り戸棚の下端の目安=身長-20~25cm程度
手が届きやすい高さ=身長+15cm程度まで
収納量を増やしつつ使いやすさを両立させたい場合は、昇降式の吊り戸棚も検討するとよいでしょう。必要な時に目線の高さまで棚を下げ、使わないときは上げておくことができます。
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4.キッチンのサイズを決める際のポイント
ここまでキッチンの基本的な寸法についてお話ししてきましたが、ここからはより使いやすいキッチンにするためのポイントをお伝えします。
4-1.ワークトライアングルを考える
使いやすいキッチンを実現するには、コンロ・シンク・冷蔵庫の3点を結ぶ「ワークトライアングル」のサイズと形も重要です。
それぞれの距離を下記の範囲内に収めつつ、3辺の合計が360〜600cmだと家事動線がスムーズになると言われています。
キッチンの間口が大きすぎると、コンロとシンクが離れすぎて調理中の移動距離が長くなります。ワークトライアングルが小さすぎると、作業スペースや収納が不足する可能性があるので気をつけましょう。
使いやすいキッチンのレイアウトについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
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4-2.キッチンに立つ人数を考える
キッチンの寸法を決めるときは、キッチンに立つ人数を考えることも大切です。
例えば、親子や夫婦など複数人でキッチンに立つ場合や、ホームパーティーなどで友人が集まる場合は、通路や作業スペースを広めにとるのがおすすめです。
ワークトップや吊り戸棚の高さを決めるときは、メインで使う方の身長に合わせるとよいでしょう。もしくは、身長の高い方に合わせて、身長の低い方はスリッパを履いて調整する方法もあります。
4-3.将来的な暮らしの変化も見据える
将来的な変化も考慮に入れて、キッチンの寸法を決めるのもポイントです。
例えば、今は一人で調理することが多くても、新しいキッチンは夫婦や親子で一緒に使いたいなどの希望があれば、広めの通路幅などを検討した方がよいかもしれません。
数年後にお子様の独立を控えており、広いキッチンだと持て余してしまう可能性があれば、掃除がしやすいコンパクトなキッチンを検討するのもよいでしょう。
また、年を重ねると、高所の収納が使いにくくなったり、間口が広すぎると移動が億劫になったりすることも。老後を見越したキッチンリフォームでは、高さや広さには特に注意が必要です。