料理家の渡辺有子さんが先生に、ライターの吉田直子さんが生徒に。本誌で連載中の「&Cooking 渡辺有子の料理教室ノート」がWebでも読めるようになりました。1年目2月のテーマは、「はじめての冬野菜を楽しむ」。3つのレシピを紹介します。
百合根や山伏茸が出回るこの時季。使い慣れない食材との出合いが料理の幅を広げてくれます。
はじめての冬野菜を楽しむ。
先生:先月から始まった〝誌上〞料理教室ですが、直子さん、手応え的にはどうでしょう。
生徒:あのあと家でおさらいしてみたのですが、どれも上手に作れてしまって、早くも自信をつけ始めています(笑)。
先生:今月のレシピはさらに簡単なので、ますますやる気が湧いちゃうかも(笑)。テーマは「はじめての冬野菜」ですね。
生徒:干し大根、百合根、平茸と山伏茸。確かにどれも使ったことないなあ。切り干し大根なら何度かひじきと煮たことがありますが。
先生:干し大根って便利なのよ〜。和風の味つけはもちろん、今回のようにサラダにしたり、洋風の料理にも合うんです。それに、大根を輪切りにして干すだけで、自分でも簡単に作ることができますし。
生徒:それはいいですね! 大根1本買うと使い切れなくて困ることが多いので。今月の教室が、新しい食材を手にしてもらうきっかけになりますように!百合根だけはちょっとハードルが高そうだけど(笑)。
先生:そんなこと言わずに、一緒に頑張ってみましょう(笑)。さっそく「干し大根と春菊のサラダ」からいきますよ。
生徒:有子先生が20分前から戻しておいてくれた干し大根。いい状態になってます。
先生:干し大根の水分はよく絞ってね。春菊はすぐにしんなりするので、食べる直前に作るのがこのサラダのポイントです。
生徒:ボウルの中に干し大根とちぎった春菊の葉を入れて、さらにブルーチーズを加えるのか。自分じゃ考えられないなぁ。米酢と粗塩をふって、さっと混ぜたらできました!
先生:ブルーチーズはマイルドなものを使います。塩気が強いときは粗塩をふるのをやめるか、量を減らすかで味を調整してね。
生徒:つづいては本日の難関「百合根のペーストと芽キャベツのフリット」であります。
先生:おがくずの下にはおいしい百合根が待っているわよ(笑)。よく洗ったら1片ずつはがしてね。芽キャベツは洗って拭いて、芯の部分に十字に切り込みを入れてください。
生徒:芽キャベツって使い道がわからぬまま、シチューの彩りに添えたりしてました。
先生:そういう人にこそお勧めしたい調理法が素揚げなの。さて、野菜の下ごしらえがすべて終わったら、鍋に百合根と水を入れて弱火で煮ますよ。木べらでつぶしながら牛乳を加えてなめらかにして、塩で味を調えます。
生徒:いとも簡単にペーストができました。このイキオイで芽キャベツも揚げます!
先生:油がはねるのでしっかり水気を拭いておいてくださいね。フタをして、蒸すように揚げるといいですよ。揚がったら油分をきって粗塩をふります。
生徒:器に百合根のペーストを敷いて、芽キャベツをのせたら、2品目も完成です!
先生:3品目の「平茸と山伏茸の蒸し煮」はさらに簡単よ。厚手の鍋に小房に分けた平茸と山伏茸、ニンニクとタカの爪、白ワイン、オリーブオイルと粗塩を入れたらフタをして、あとは15分蒸し煮にするだけ。お皿に盛り付けたら千切りにした柚子の皮を散らして、焼いたパンを添えてね。キノコの旨味が染み出た蒸し汁に、パンを浸しながら熱々の状態で食べるのがたまらなくおいしいの。
生徒:誰か〜、白ワインください〜!
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1.干し大根と春菊のブルーチーズサラダ
輪切りにして天日に2 ~ 3 日さらした手作り干し大根。調理前に熱湯で戻す。
食べる直前に調味料をふることで、春菊の葉のふんわりした良さをキープ。
〈材料〉2人分
干し大根…25g
春菊…1/4束
ブルーチーズ(ロックフォール)…25g
米酢…小さじ2
粗塩…少々
〈作り方〉
1.干し大根は熱湯で20分戻して水気を絞る。春菊は水で洗い水気をよくきり、葉の部分を摘んで3~4 ㎝の長さに切る。
2.ボウルに1と細かくしたブルーチーズを入れ、米酢と粗塩をふって全体をさっと混ぜる。