夏バテ予防のブラックベリーシロップ
完熟したブラックベリーは、もちろんそのまま食べても甘酸っぱくて美味しいのですが、一度には食べきれないので、収穫したらその都度冷凍し、500〜600gの量になったら鍋に入れてシロップを作ります。作り方は、凍ったブラックベリーにひたひたの水と甜菜糖、レモン汁を加え10分ほどコトコト煮詰めます。粗熱が取れたら濾し器に通して種を取ります。このひと手間で滑らかで口当たりのよいシロップに。思い立った時に常備している材料で手短に作れるブラックベリーのシロップは、暑さで億劫になりがちな夏の手仕事に最適です。
濃厚な赤紫色のシロップは、ヨーグルトに添えたり、冷えた炭酸水で割ってジュースに。甘さ控えめでシュワッと喉越しのよいジュースは、何杯でも飲めて熱中症対策にもバッチリです。また、シロップを直に凍らせた甘酸っぱいシャーベットも美味。目にも華やかなベリー色のシャーベットをコンポートに入れて、凍った実と庭のミントをあしらうだけで洒落た夏のスイーツになります。
そのうえ、ブラックベリーに含まれる赤紫色のアントシアニンは、強力な抗酸化作用のあるポリフェノール。ビタミンCやカリウムなど大人女子に嬉しい栄養素もたっぷりです。
年々、過酷になる夏のガーデニングですが、夏ならではの庭の恵みは、こんなふうに日々の暮らしに他では味わえない豊かさを与えてくれます。
さあ、これからが夏本番。今年も青々と茂ったバジルとたわわに実ったブラックベリーで、夏の暮らしを楽しみましょう。
Credit
写真&文 / 前田満見
まえだ・まみ/高知県四万十市出身。マンション暮らしを経て30坪の庭がある神奈川県横浜市に在住し、ガーデニングをスタートして15年。庭では、故郷を思い出す和の植物も育てながら、生け花やリースづくりなどで季節の花を生活に取り入れ、花と緑がそばにある暮らしを楽しむ。小原流いけばな三級家元教授免許。著書に『小さな庭で季節の花あそび』(芸文社)。