冷とり天ぶっかけ大盛り 640円

●「旅先で旨いものを食べたければ、タクシードライバーに聞くのが一番」と言います。そこで、東京のB級グルメに精通する現役タクシー運転手・荒川治さんに、オススメのお店を教えてもらいました。

 タクシードライバーの荒川です。いや、暑いですね〜。タクシーの中はエアコンが効いているとはいえ、運転中、窓から差し込む強烈な陽差しを浴び続けているので、長時間にわたって低温調理されている気分がします。チャーシューのようにしっとり仕上がればいいんですが、どちらかというと干物状態です(笑)。

 さて今回は、猛暑の今夏、私が何度も通っているうどん屋さんを紹介したいと思います。それが、東京で大人気の立ち食いうどん屋『おにやんま』さんです。


『おにやんま 新橋店』

 このお店、五反田に本店があり、そのほか東京都内に10店舗以上あるのでご存知の方も多いと思います。あちこちを走り回るタクシー運転手にとって、この『おにやんま』さんのある場所を頭に入れておくと、ちょっと小腹が空いたときに、とっても便利なんですよ。


『おにやんま 新橋店』は早朝から常連客で賑わっています。

 中でも、今回ぜひ紹介したいのが新橋店。JR新橋駅烏森口から徒歩3分ほどのところにあり、その周辺には、路上の “スリーコイン”パーキングがたくさんあるので、ドライバーも駐車違反の心配なく、食べに行けます。


『おにやんま新橋店』の営業時間は朝早くから深夜遅くまでなので、長時間労働の人には重宝します

 また、この新橋店の営業時間は、朝6時半から深夜3時まで。私たちのようなタクシードライバーはもちろん、新橋界隈で働くサラリーマンにとって、朝食にも夜食にもなる、非常にありがたいお店なんです。


「冷・とり天ぶっかけ 大盛」(640円)。無料の天かすやおろし生姜をたっぷり入れて

 そして、肝心のうどんですが……温かいうどんは“かけ”が基本で、冷やしは“ぶっかけ”と“おろし醤油”。そして『おにやんま』で人気なのは、温冷どちらも、とり天やちくわ天をいれたバージョンです。私はというと、ここ最近は「冷・とり天ぶっかけ 大盛」(640円)nにハマっています。

 このお店、注文してから麺を茹で始めるのですが、提供までの時間がめちゃくちゃ早いのも特徴です。もちろん早いだけではありません。1日中製麺しているうどんは、ほぼ打ちたて、切りたて、茹でたて。だからコシがあってツルツルっとした喉越しで、噛むと伸びやかで、最高にウマい!


コシがあって、つるりと喉ごしのよいうどん

 そして「冷やしぶっかけ」のつゆは、お出汁がしっかり効いた関西系。冷やしのつゆは、お出汁と塩味のバランスが大事だと思いますが、『おにやんま』さんのスープは実に絶妙で、私にとってはどストライクです。

 また、胸肉と覚しきとり天はごろっと3つほど入っていてパサつきなどは皆無、しっとり程よい弾力。油もキレよくて、いくつでも食べられそうです。


カラッと揚げたてのとり天が、冷やしにはよいアクセント

 また、テーブルに天ぷらで使った天かす、おろし生姜も置いてあり、入れ放題なのも嬉しいところ。私はどちらもたっぷり入れます。とくに夏場はおろし生姜を多めに入れると、ツンとした刺激と爽やかさが加わり、火照った体を沈めてくれます。朝晩、ここの冷やしぶっかけを食べることで、熱中症予防になっている気がしています。

 というわけで、今夏の危険な暑さをなんとかしのげるのは『おにやんま 新橋店』さんのおかげ。皆さんもぜひ行ってみてください。

●SHOP INFO

店名:おにやんま 新橋店

住:東京都港区新橋3-16-23
営:6:30~翌3:00
休:無休

(取材◎土原亜子)

●プロフィール

荒川 治
東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。