ただのできものだと思っていたら…
痛みで椅子に座ることができない夫は、病院に着いてからも立ったまま順番を待っていました。
最初は小さなできものだったのに、これだけ痛みが出るのはもしかしたら何か悪い病気なのではないかと、次第に私も不安に……。診察を受けるまでの時間がとても長く感じました。ようやく診察の順番になり先生に診てもらったところ、できものの正体は「粉瘤(ふんりゅう)」でした!
粉瘤とは、皮膚から剥がれ落ちたあかや皮脂が袋にたまってしまう病気なのだそう。夫の流血はその粉瘤に細菌が入り込んで化膿し、袋が破裂してしまったことが原因でした。「粉瘤は悪性の腫瘍ではなく、誰にでも起こりうる病気です」と言われて、ひとまずはホッと胸をなでおろしたのを覚えています。
炎症を起こしていなければ手術で取り除けるものの、夫の場合は破裂するまで悪化していたため診察時には中の膿を出すことしかできませんでした。膿を出すために先生が指で粉瘤を押しつぶすのですが、これが激痛だったのだそう! しかも、膿を出していくと魚が腐ったような異臭が……。
老廃物がたまってできたものなので臭いのは当たり前なのですが、においをかいだときは衝撃的でした。あまりの痛みに夫が何度も顔をゆがめ、うめき声を漏らす姿は見ていて痛々しかったです。診察後の夫は今にも倒れ込みそうなふらふらの状態。その後は薬をもらって家に帰りました。
「落ち着いたら手術をしよう」と夫と話し合っていましたが、病院で膿を出してもらい、薬の服用を続けたことで、症状は落ち着いていきました。結局手術しないままで5年が経過しています。
後日調べてみると、粉瘤はごくまれにがん化するもあり、中高年男性のおしりの粉瘤ががん化するケースもあるのだそう。夫のできものも悪性化する可能性があったと知り、ゾッとしました。
また人によっては多数の粉瘤ができたり、陰嚢(いんのう)に生じたりすることもあるようです。炎症が軽度であれば、薬を服用するだけで症状が治まることも多いようなので、「もっと早く病院に行かせていれば」と後悔しました。
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まとめ
ニキビのような小さなできものから始まった、今回の夫の粉瘤騒動。「このくらい大したことないだろう」と高をくくっていたばかりに、症状を悪化させてしまい大変なことになりました。幸い悪性化する事態にまでは至りませんでしたが、もしがん化するなどの最悪のケースになっていたらと考えると、そのときの判断を悔やんでも悔やみきれなかったと思います。
今回の一件で、夫婦ともども体調管理の重要さを身に染みて実感。今後は粉瘤に限らず、何か体や体調に異変を感じたときは、ささいなことでもまずは病院に相談するようにしようと学びました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)
獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開院。2024年に新鎌ケ谷くぼた皮膚科泌尿器科を開院、日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門は泌尿器科および皮膚のトラブル、生活習慣病を含めた内科まで幅広く診察。メディア出演も多数あり、医者YouTuberとしての情報発信もおこなっている。著書に『EDかも!?と思ったら読む本』(自由国民社)がある。
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※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
著者/茨木アヤコ
30代女性。元教員。今はwebライター兼1児の母。仕事は執筆、趣味も執筆。おもしろく、読みやすい体験談をお届けできるよう心がけている。