壁付けのキッチンに使いづらさを感じていて、「リフォームを機に対面キッチンにしたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
対面キッチンは使いやすいイメージがありますが、もっと具体的なメリットとデメリットが気になりますし、費用面も心配ですよね。
そこで本記事では、対面キッチンのメリットとデメリットをはじめ、費用相場や実用的なキッチンにするポイントをお伝えします。
対面キッチンにリフォームした方の事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1.対面キッチンのメリット
対面キッチンには、リビングとダイニングに向かうように設置するからこそ得られるメリットがいくつかあります。まずはメリットから見ていきましょう。
①家族とのコミュニケーションが取りやすい
対面キッチンは、調理中に家族とのコミュニケーションが取りやすい点がメリットです。
リビングにいる家族と会話したり、ダイニングテーブルで宿題をしているお子さんの様子を確認したり、家族とより近い距離感で家事を進められます。
“ながら調理”をできるのは、対面キッチンならではの魅力です。
②動線が短く調理を進めやすい
背面にカップボードや冷蔵庫がある対面キッチンは、動線が短く調理をスムーズに進められる点がメリットです。
シンク・コンロ・冷蔵庫の距離を結んだ“ワークトライアングル”が正三角形になるよう意識すれば、さらに使いやすいキッチンになるでしょう。
使いやすいキッチンレイアウトとは?食器棚や冷蔵庫の位置も解説
③配膳や後片づけがしやすい
対面キッチンはカウンターを通して食器や調味料の受け渡しができるので、配膳や下膳のためにダイニングとキッチンを移動する手間が省ける点もメリットです。
配膳、食事、下膳の間にダイニングとキッチンを往復する回数は平均して8〜10回ほどといわれており、意外と何度も行き来しています。
このほんの少しの移動を無くすだけで、家事効率がぐっと良くなるはずです。
ただし、キッチン横にダイニングテーブルを置くと横方向の移動が増えるので、移動距離の短縮ができません。
動線を意識するのなら、ダイニングテーブルはカウンターの向かいに置くなど、家具の配置にも気を付けましょう。
④開放感がある
視界を遮るものがない対面キッチンは、とても開放感があります。
窓から見える外の景色や広々としたリビングを見ながら、気持ち良く調理を進められるでしょう。
しかし開放感があることは、誰しもにとってメリットになるわけではありません。
「視界に物が入ると気が散る、落ち着かない」という方は、対面キッチンよりも壁付けキッチンや独立キッチンのほうが集中して作業できるでしょう。
キッチンの見た目だけではなく、自分の特性や価値観などからも対面と非対面のどちらが適しているのかを考えてみてください。
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2.対面キッチンのデメリット
動線の良さだったり開放感だったり、さまざまなメリットがある対面キッチンですが、対面にすることで生まれるデメリットもあります。
①油はね・水はねが気になる
シンクやコンロ前に壁がない対面キッチンは、リビングとダイニング側に油や水はねしやすい点がデメリットです。
掃除が面倒なのはもちろん、床が無垢材だとシミになってしまう心配があります。
小まめに拭き取ったり飛び散らないよう気を付けたりすれば多少は防げるかもしれませんが、それが毎日のこととなると、ストレスになってしまうかもしれません。
②臭いが充満しやすい
対面キッチンには油や水はね以外にも、臭いが充満しやすいというデメリットがあります。
臭いだけなら換気すればいいのですが、油分を含んだ水蒸気がオイルミストになって室内へと広がると、リビングにあるソファやカーテンなどのファブリック類に臭いが染み込んでしまいます。
とくに揚げ物や中華料理などの臭いが強い料理を作ったときには、半日以上経っても臭いがとれないことも。臭いに敏感な方にとっては、大きなデメリットとなるでしょう。
③手元やキッチンが丸見えになってしまう
レイアウトやカウンターの有無にもよりますが、対面キッチンは調理する手元やキッチン自体が丸見えになってしまいます。
来客時の掃除が面倒な点や、物を置くとごちゃついて見える点がデメリットです。
「人に見られるほうが掃除をするからいい」という考え方もありますが、掃除や片づけが苦手な方は、対面キッチンを選んだこと自体を後悔してしまう恐れがあります。
④リフォーム前よりキッチンが狭くなってしまう可能性も
キッチンの種類によっては、設置スペースが必要なものもあります。
たとえば、島のように独立したアイランドキッチンは、左右に通路が必要になるため、壁付けキッチンやペニンシュラキッチンよりも広いスペースが必要です。
LDKの面積によっては、リビングとダイニングに圧迫感が出ることや、リフォーム前よりもキッチンが狭くなってしまうことがあります。
設置面積の確保は、対面キッチンを導入するうえで大きな課題となるでしょう。
マンションではリフォームできない可能性もある
また、マンションでは次のような場合、キッチンの移動自体ができない可能性があります。
排水を流すための角度(勾配)が確保できず、排水管を移動できない
配管がコンクリートに埋め込まれている
管理規約でキッチンの移動が禁じられている
間取りや壁の位置関係によっては実質的に対面キッチンにできるかもしれませんが、できないケースもあることを覚えておきましょう。
マンションのキッチンリフォームの注意点や事例などはこちらの記事でもまとめていますので、マンションにお住まいの方は目を通しておくと良いでしょう。
【事例付き】マンションのキッチンリフォームの費用相場・注意点