ツタ(ナツヅタ)の栽培12カ月カレンダー

開花時期:6〜7月
植え付け・植え替え:3月下旬〜9月(真夏を除く)
肥料:5〜9月

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ツタ(ナツヅタ)の栽培環境


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日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日向から半日陰まで、場所を選ばずよく育ちます。ただし、あまりに暗い場所では、秋の紅葉時に発色が悪くなるので注意しましょう。

【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。

【置き場所】土壌は適度に湿った場所を好みますが、丈夫で乾燥にも耐え、条件を選ばずよく育ちます。ただ、肥沃な土壌のほうがより生育が旺盛になり、枝葉をぐんぐん伸ばしていくようです。

耐寒性・耐暑性

日本の気候によく馴染み、暑さや寒さに強い性質を持っています。マイナス10℃以下にも耐え、耐寒性、耐暑性ともに高いので、基本的に冬越しや夏越しの対策は必要ありません。

ツタ(ナツヅタ)の育て方のポイント

用土


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【地植え】

植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料少量を混ぜ込んでよく耕してください。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。

水やり


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水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

【地植え】

根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意しましょう。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、休眠中の冬でもカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。

肥料


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【地植え】

強健な性質なので、1年目は植え付け時に元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。2年目以降は春の芽出し前に緩効性肥料を株まわりに施します。それ以降は特に必要ありませんが、株の生育に勢いがない時などに液肥を与えて様子を見てください。

【鉢植え】

生育期の4月〜9月中旬に緩効性化成肥料を株の周囲にばらまき、軽くスコップで耕して土に馴染ませます。株の生育に勢いがない時などには、液肥を与えておくとよいでしょう。

注意する病害虫


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【病気】

ツタ(ナツヅタ)に発生しやすい病気は、炭疽病、さび病などです。

炭疽病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因で発生する伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点が発生するのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので、早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに除去して土ごと処分しておきましょう。密植すると発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時の泥の跳ね返りをきっかけに発症しやすくなるので、株元の表土を狙ってやさしい水流で与えるようにしましょう。

さび病は、かびによる伝染性の病気です。葉にくすんだオレンジ色で楕円形の斑点が現れます。この斑点は、やや細長くイボ状に突起するのが特徴です。症状が進むと斑点が破れ、中から粉のように細かい胞子を飛ばします。発症すると株が弱り、枯死することもあるので注意。発病した葉は見つけ次第切り取って処分し、適用する薬剤を散布して防除します。

【害虫】

ツタ(ナツヅタ)に発生しやすい病気は、アブラムシ、カイガラムシなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついてしまうほどに。植物の茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mmほど。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。

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ツタ(ナツヅタ)の詳しい育て方

植え付け・植え替え


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ツタ(ナツヅタ)の植え付け・植え替えの適期は、3月下旬〜9月です。ただし、真夏は株が弱りやすいため避けたほうが無難です。植え付け適期以外にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。

庭で育てている場合、環境に合えば植え替える必要はありません。ただし、植え付けから5〜6年くらいが経って株が込み合いすぎているようなら、掘り上げて株分けしてください。改めて植え直し、株の若返りをはかりましょう。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れます。苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に入れて仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。

剪定・切り戻し


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剪定適期は、葉を落として休眠中の12月〜2月。落葉している状態だと、つるがよく見えるので、作業がしやすいです。茂りすぎている部分や、これ以上範囲を広げたくない部分などをカット。剪定位置はあまり気にせずに、つるとつるとの分岐点を目安に、自由にカットしてかまいません。翌年の生育期になると、再び旺盛につるを伸ばすので、毎年同じくらいの範囲にとどめたい場合は、つるの1/2から1/3くらいまで切り戻します。

また、ツタ(ナツヅタ)は生育期に剪定してもOKです。葉が込み合いすぎている場合は、病害虫を招くおそれがあるので、うっとうしく茂りすぎている部分は切り取って風通しをよくしましょう。

夏越し・冬越し


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【地植え】

暑さ、寒さに強いので、鉢上げして養生させるといったケアは必要ありません。

【鉢植え】

ハンギングや小鉢仕立てにして、移動しやすい状態で栽培している場合、コンクリートに囲まれたベランダやテラスなど、真夏に暑くなりすぎる環境下では、風通しのよい明るい日陰に移動するとよいでしょう。寒さには強いので、戸外で越冬できます。

増やし方


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ツタ(ナツヅタ)は、株分け、挿し木、蔓伏せで増やすことができます。

【株分け】

ツタ(ナツヅタ)の株分け適期は4〜5月頃か9〜10月頃です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。株を掘り上げて4〜5芽ずつつけて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。

【挿し木】

挿し木とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木ができないものもありますが、ツタ(ナツヅタ)は挿し木で増やせます。

ツタ(ナツヅタ)の挿し木の適期は、4〜5月頃か9〜10月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚取ります。3号鉢を用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。芽が出て順調に生育し、根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

【蔓伏せ】

蔓伏せの適期は、4〜5月か9〜10月です。

まず、3号鉢に市販の草花用培養土を入れて、十分に湿らせておきましょう。ツタ(ナツヅタ)のつるの気根がついた部分を3〜4cmくらいにカットします。3号鉢に根を平らに置き、2cmほど土をかぶせておきます。これを水切れしないように管理すると芽を出し、新しい個体として生育し始めます。しばらく育苗し、ポットに十分に根が回った頃に、植えたい場所に植え付けます。蔓伏せのメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。

ツタ(ナツヅタ)を撤去する方法


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「ツタ(ナツヅタ)が繁茂しすぎて手に負えないので、もう撤去したい」。メンテナンスが負担になってしまうなら、処分するのも一案です。壁面やフェンスに絡ませたつるは、手作業で剥がしましょう。丈夫で育てやすい反面、大変生命力が強いので、地上部を撤去しても地中に残っている根から芽が出て、またすぐにはびこってしまうことがあるかもしれません。その場合は、植えていた部分に除草剤をまいて対処するのも方法です。

ツタ(ナツヅタ)を植えるならこまめに手入れを


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ツタ(ナツヅタ)はなんといっても美しい葉姿が魅力ですが、一方ではつるが旺盛に茂りすぎるきらいがあるので、定期的なメンテナンスも必要です。とはいえ、ツタ(ナツヅタ)が作り出すシーンは植物が作り出すアートといえるほどに見応えがあるので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

Credit

文 / 3and garden



スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。