消費税率が高い国は「高負担・高福祉」の傾向

グラフからも分かるように消費税が高い国にはヨーロッパ、特に北欧の国が目立ちます。この国々に特徴的なのは「高負担・高福祉」だといえるでしょう。社会保障費を消費税という形で広く国民で負担し、福祉サービスを手厚く実施しているという特徴があります。

ノルウェー

ノルウェーの消費税率は25%と非常に高く設定されていますが、一方で出産や子どもの学費などが無料になっています。また高齢者への社会保障のサービスが充実しています。

フィンランド

フィンランドでは大学までの教育費が無料になっており、教育制度が充実しています。

スウェーデン

出産費用や20歳までに必要な医療費が無料になっており、児童手当なども充実しています。

いずれの国も消費税率は非常に高くなっていますが、国民から集めたお金で充実した教育制度や社会保障サービスを準備しています。税金を多く納めても、その分のサービスを受けられるという納得感は高そうです。ただし高負担・高福祉で子育て支援などの社会保障サービスが充実している国々の出生率が高いかというと、それほどでもないという印象を受けます。

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日本の消費税の使い道は?


VAT
【画像出典元】「stock.adobe.com/Nuthawut」

ヨーロッパでは教育や社会保障サービスに消費税は使われていますが、日本ではどんな用途に消費税が使われているのでしょうか?

日本の消費税の税収は23.8兆円(令和6年度予算)で、そのうちの19.2兆円は以下の社会保障の4経費に充てられます。

・年金
・介護
・医療
・子ども・子育て支援

上記の4項目を賄うために税収が充てられていますが、4項目分の国の予算は33兆円を超えており、消費税の税収のみでは不足しています。そのため国債の発行などを通じて不足分を賄っています。