食料品や生活必需品にかかる消費税が低い国も

日本でも軽減税率が導入されていますが、食料品や生活必需品にかかる消費税が低い国も多く見られます。また食料品には課税されない国も目立ちます。

基本的な食料品に消費税が課税されない国

オーストラリア、イギリス、カナダ、インドなど

食料品などに軽減税率が適応されている国

ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ポルトガルなど

多くの国では食料品などにかかる消費税は低めに抑えられているようです。食料品は必要不可欠なものであり、国や政府としても国民生活を考えると消費税を課しにくいと考えることが自然でしょう。

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社会保障費の不足とNISAの関係


社会保障費
【画像出典元】「stock.adobe.com/chawalit」

2013年にスタートして2024年に大幅な制度拡充になったNISA制度ですが、このNISA制度と社会保障費は密接な関係があります。

NISAの目的

NISA制度は、個人が自主的に資産形成を行うことを促進し、将来の生活資金や老後資金の準備を支援するものです。これにより社会保障に依存しすぎない生活設計ができることを期待されています。

社会保障の負担軽減

個人がNISAを利用して資産形成を行い、老後の生活費や医療費を自ら賄ってもらうことで、社会保障制度への依存度が低くなり、結果的に政府の財政負担を軽減する効果が期待されます。

NISA制度はイギリスで導入されていたISA制度を参考にしています。第二次世界大戦後のイギリスには「ゆりかごから墓場まで」という言葉に代表されるような手厚い社会保障制度がありました。しかし1970年代以降、イギリスの経済が低迷し、社会保障制度にかかる費用を準備することが難しくなっていました。

そこでISA制度という非課税制度を導入し、国民が積極的に投資をすることによる経済の活性化と、投資によって資産を増やし、老後や教育などに必要な費用を個人で用意してもらう方向へと舵を切ったのです。このISA制度の成功を模範に、日本でもNISA制度という形で導入されました。

そもそも北欧のように「高負担・高福祉」を実現するには高額な税負担が必要です。もし負担を減らすということであれば、代わりの財源を準備しなければなりません。消費税率を上げる代わりに、国民自身で財源を準備してもらう手段の一つとして、ISA制度やNISA制度が導入されたと考えても良いでしょう。

まとめ

少子高齢化が世界的に進み、どの国も社会保障制度を維持するための財源を確保することに躍起になっています。消費税や付加価値税は国民から漏れなく集めることができるため、導入している国が大部分を占めています。

日本の消費税率は世界的に見れば比較的低めの水準ですが、それでも負担は大きいと感じている人が多いと感じます。これは消費税が導入された1989年はバブル経済の恩恵を受けていましたが、バブル崩壊後の不況やデフレの影響が長引き、不景気といわれる時代と消費税が歩みを共にしていることもあるでしょう。ようやく給与が少しずつ上昇する兆しを見せていますが、給与が上がるという実感を得られる時が来るまでは重税感は拭えないでしょう。

日本の消費税は年金・介護・医療・子育て支援に使われています。また日本の社会保障制度は他国と比較しても見劣りするものではないと思います。ただし財源や内容について知られていないことが問題でしょう。消費税に対する納得感が得られなければ、抵抗感を持たれたままだと思います。

加えて、年金保険料や健康保険料など社会保険料の負担も大きく、消費税率は低くても個人が負担している費用の割合は他国と比べても低くはないでしょう。

少子高齢化が進む中で、残念ながら今後も消費税率は上がると考える方が自然です。日本は急速に高齢化が進んでおり、それに伴って社会保障費(年金、医療費、介護費用など)が増加しています。これらの費用を賄うためには、安定した税収が必要となり消費税率の引き上げが選択肢の一つとなります。ただし、そのタイミングや具体的な税率については予測が難しいところです。

高負担・高福祉、中負担・中福祉、低負担・低福祉、皆さんはどれが良いでしょうか?

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消費税に関するQ&A

Q:ハンガリーでの生活必需品の消費税はどうなっていますか?

A:ハンガリーの消費税率(付加価値税率)は世界でも最高水準の27%ですが、軽減税率として18%と5%が設定されています。穀物や小麦などを使用した製品、乳製品などは18%、牛乳、卵、鶏肉、豚肉、魚などの食品、医療品、本などは5%に設定されています。

Q:生活必需品とされ、軽減税率の対象になる商品はどのようなものがありますか?

A:世界的には、食品や医薬品、衣料品、教育関連用品、子ども用品などが対象になっていることが多く、水道代などが軽減税率の対象になっている国もあります。