「団信なし」可のローンも。メリット・デメリットを比較


住宅を購入した家族
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銀行での団信の加入は必須と申し上げましたが、加入を必須としていない住宅ローンもあります。独立行政法人住宅金融支援機構と銀行が提携し提供しているフラット35という住宅ローンです。フラット35は、団信の加入は任意ですから加入しないという選択も可能です。

ただ、注意が必要なのは、万一のこと。
例えば、35歳の男性が35年ローンで住宅ローンを借りたとします。厚生労働省の「令和元年完全生命表」を基に試算すると、完済する70歳まで生きる確率は8割超。

つまりほとんどの人が生きて住宅ローンを返済していけるというわけです(元気で仕事をしている前提ですが)。とはいえ、2割弱の人はそうでないということですから、大きなリスクに備えるためにやはり団信の役割は大きいと考えることができます。

もちろん、団信に加入できない人でも、既に契約している生命保険で、住宅ローンの返済までできるのなら心配いりません。また、生命保険の契約がなくても配偶者の収入や今ある貯金で返済を継続することができるのなら問題はないでしょう。

なお、団信は死亡や高度障害だけではなく、がんになり一定の要件を満たした場合はローン残高がゼロになったり、半分だけ免除されるタイプや、三大疾病保障、入院時や就業不能状態時の保障などさまざまなタイプがあります。

超低金利で金融機関間でサービスの違いがほとんどなくなっている今、団信を充実させている金融機関は増えています。

このように、団体信用生命保険はもしもの時の大きなリスクをカバーしてくれるものです。保険は、小さなリスクより大きなリスクに備えることがもっとも意義あることと思います。そういう意味で団信は非常に重要な位置付けであると言えるでしょう。