ブルガリ イル・リストランテが、エグゼクティブシェフ ルカ・ファンティンの就任15周年を記念し、2024年の1年間を通してさまざまなスペシャル企画を行っている。第2弾は、1966年創業の老舗三つ星レストラン「ダ・ヴィットリオ」とコラボレーション。世界的に著名なシェフ、キッコ・チェレアを迎えて開催された、1日限りのコラボレーションイベントの中身とは?
家族経営で三つ星を獲得し続ける、「ダ・ヴィットリオ」の魅力
各テーブルに置かれたメニューには両者の直筆サイン
イベント前日に到着したばかりのキッコ・チェレアは、疲れた様子は一切感じさせず、満面の笑みで登場し、挨拶。実は、ブルガリ イル・リストランテのゼネラルマネージャーに新たに就任したエンリコ・グアルニエリが「ダ・ヴィットリオ」の支配人だったことをきっかけに、実現したという今回のコラボレーション。ルカとキッコ、そしてエンリコの掛け合いは、会場を一気にイタリアさながらの陽気な空気感で包みこんだ。
〈左から〉「ブルガリ イル・リストランテ」ルカ・ファンティン、「ダ・ヴィットリオ」キッコ・チェレア
キッコ・チェレアは、イタリア・ベルガモにある「ダ・ヴィットリオ」を創業した両親のもとで生まれ、物心ついた頃からガストロノミーの道へと進んできた。パリのジャック・カーニャ、コート・ダジュールのロジェ・ヴェルジェ、ミュンヘンのハインツ・ウィンクラー、ニューヨークのジャン=ジョルジュ・ヴォンゲリヒテンらをはじめ、スペインの伝説的レストラン「エル・ブリ」でも経験を積み、家業を継ぐ形で、「ダ・ヴィットリオ」のシェフに就任。兄弟のロベルトとともに、2010年以来、ミシュラン三つ星を保持し続けている現在の「ダ・ヴィットリオ」を築き上げた立役者でもある。
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コラボレーションの中身は?
全8品のコースでは、アンティパストからデザートまで、ルカとキッコが担当するプレートが交錯する構成。まずはキッコによる、卵のムースとメレンゲ、その上にキャビアをのせたカクテルグラスに入った「Uovo a la uovo」から。続いて日本の食材を熟知するルカによる、マグロでなすとパプリカを包み、スープを注いでいただくプレートへ。
「Uovo a la uovo」
濃厚なのにさっぱりとした卵のムースにキャビアの食感が楽しい
「Crudo di tonno, peperoni e melanzane」
マグロの下に隠れたパプリカとなす。爽やかなスープとともに
プリモピアットはルカは自家製ボッタルガをつかった冷製スパゲッティを、一方キッコはバジルのグリーンが生えるリゾットを用意。セコンドピアットは、いずれも魚料理。クリーム色のソースにクエやあさりが浮かぶ柔らかなソテーに続いて、グリーンのソースを背景に甘鯛とウニ、ズッキーニがアートのような存在感を放つ。
「Spaghetti freddi, bottarga」
イタリアでは習慣がないという冷製で
「Amadai, zucchini e ricci di mare」
ズッキー二にウニの花が咲いたような付け合わせも美しい
イタリアのルーツを持ちながら日本の風土との調和を現地の食材で繊細に体現するルカと、イタリアならではの色彩の鮮やかさと大胆さを兼ね備えたキッコ。腕を振るった、2人の競演がコースを通して、ここにしかないマリアージュを生み出し、味覚だけではなく視覚的にも忘れ難い余韻を残してくれた。
2人のシェフの共同作業で提供されたデザートのカンノーロ