“パーティーだけじゃない、大自然と踊る旅”スペイン・イビサ島で、心ほどくウェルネス旅

日常からいざ、非日常へ。夏の疲れを解き放つ、自然を感じるラグジュアリーな旅へ出かけよう。地中海に浮かぶイビサ島。パーティアイランドとして知られたこの島が、今「ウェルネスを叶(かな)える旅先」としても注目を集めている。そんなイビサ島の新たな過ごし方を、静寂の湾に抱かれた最新リゾートホテルとともに紹介しよう。

ヨガマットの上でまぶたを閉じ、五感を澄ます。聴こえてくるのは鳥のさえずりと、かすかな波音のみ。パーティーアイランドとして名を馳せるイビサ島だが、2021年に誕生した「シックスセンシズ イビサ」は喧騒とは無縁のホテルだ。立地は、旧市街や繁華街とは真逆となる島北東部のザラカ湾。岩肌に溶け込むアースカラーと緑に覆われた外観が美しく、インフィニティプールに浸かると、空と海、そしてプールのエッジがシームレスにつながり、まるで自分が自然に還(かえ)ったかのように感じられる。


ザラカ湾を一望するテラスでヨガ。他にもスタジオ、充実のジム、さらにボクシングリングまで有する

今、イビサ島ではパーティー三昧の日々とは正反対となる「自然へ回帰する旅」が注目を集めている。ビーチ沿いでの朝ヨガから始まり、有機栽培の農園レストランでランチ。マリンアクティビティーやトレッキングを堪能し、極上のサンセットを浴びて1日を終える。きっかけとなったのは、2020年からのコロナ禍。クラブが軒並み休業となる中、人々の関心は健康や免疫力に向けられた。もともとイビサ島には、世界遺産に登録されるほど豊かな自然と生態系があった。また島内には、1960年代にこの地に移住してきたヒッピーらが今でも崇拝するパワースポットが多数存在。単に健康的に過ごす以上に、心身のウェルネスを満たす旅先としてイビサ島は十分なポテンシャルを備えていた。

イビサタウンの旧市街。自然と文化、両面で登録された世界的にも貴重な複合遺産だ
〈右〉©Turespaña

イビサ島=ウェルネスの島、との印象を決定付けた最新リゾート

冒頭で紹介した「シックスセンシズ イビサ」は、世界的にもスパやウェルネス、そしてサステナビリティでも定評のあるリゾートだ。ジェットバスやハマムといったスパ施設はもちろん、若返りや長寿を目指すロンジェビティ・プログラムも導入している。アクティビティーではヨガやピラティスだけでなく、瞑想やサウンドヒーリングといったスピリチュアルなものも用意され、様々なアプローチで「第6感」を呼び起こす。


食事はオーガニック、季節感、栄養、おいしさなどにこだわる

また島内にオーガニックの自家農園を所有。イビサ島の太陽を浴びて育った食材は絶品で、口に運ぶたびに心身が満たされていくのが感じられるだろう。さらに敷地内で再生可能エネルギーを創出し、年間7万本以上のプラスティックボトル削減を達成。収益の0.5%を寄付し地域社会の教育をサポートするなど、地元へ還元する仕組みも構築しており、サステナビリティの観点からも泊まりたくなるホテルだ。


レストラン「ザ・ビーチ・ケーブ」からの夕日。流れる選曲もセンスがよい

パーティーのイメージが先行するイビサ島だが、魅力はそれだけではない。世界遺産の大自然と、最先端のウェルネス。体を癒やし、心をほどく。来夏はそんな旅を計画してみてはいかがだろうか?

取材協力: スペイン政府観光局

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