ユニットバスをリフォームしようと思っても、「具体的にどれくらい費用がかかるの?」「そもそもどんなリフォームができるの?」という疑問でつまづいてしまう人は多いようです。

ユニットバスのリフォーム費用はユニットバスのグレードや現在のお風呂の状態、オプションの内容など様々な要素によって変わります。

この記事では、ユニットバスリフォームの費用、工期、サイズの選び方などを説明します。また、最新機能や代表的メーカー、事例もご紹介しますので、ユニットバスのリフォームにお役立てください。

なお、お風呂・洗面台・トイレが一つになった「3点ユニットバス」のリフォームについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

3点ユニットバスの分離・交換リフォームの5つの方法と費用相場

1. ユニットバスとは?在来浴室との違い

ユニットバスというと、賃貸やホテルで見かける「お風呂・洗面・トイレの3点ユニット」をイメージされる方も多いかもしれませんが、ユニットバスとは、あらかじめ浴槽や天井、壁、床などのパーツがセットをセットでつくったものの総称です。

具体的には、お風呂のみの「1点ユニットバス」が、従来の在来浴室と比較して一般的に「ユニットバス」と呼ばれ、ここではこのタイプのユニットバスについて取り上げます。

一方、在来浴室は住宅ごとに作られたオーダーメイドの浴室のことです。デザインの自由度が高く、浴室の広さから床や壁のタイル、浴槽の形状まで自由に決められます。

ユニットバスは組み立て式のため、在来浴室に比べて工事期間やコストを抑えられます。また、建物と浴室の間が断熱層となるため保温性が高く、寒く感じにくい点もメリットです。ただし、パッケージ商品のため、在来浴室よりもサイズやオプションの組み合わせに制限があります。

一方、在来浴室は細部まで思い通りの浴室を実現しやすいですが、ユニットバスに比べて工期は長く、費用も高額になりがちです。また、外気の影響を受けやすいため、十分な断熱対策が必要です。さらに、タイル張りにした場合は目地が汚れやすく、清掃の手間がかかる可能性もあります。

在来浴室
ユニットバス

メリット

デメリット

こだわりの浴室が実現できる

工期やコストが抑えられる

保温性が高い

工期やコストがかかる

十分な断熱対策が必要

  • サイズやオプションの

    組み合わせに限界がある
  • 1-1.ユニットバスへのリフォームでの注意点

    在来浴室からユニットバスへリフォームする際に、ユニットバスの規格サイズが間取りに合わない場合にはユニットバスのサイズを下げたり、場合によっては間取り変更の工事が必要になります。状態によっては浴室入り口の壁やドア枠を壊さなければならず、費用が高額になる可能性があります。

    また、ユニットバスの設置・交換時には、浴槽や壁、天井などのパーツを分解して搬入するための経路の確保も必要です。具体的には、間口が65cm以上、廊下の曲がり角などは75cm以上を確保できる必要があります。

    打ち合わせ時に、搬入ができるかリフォーム会社にチェックしてもらいましょう。

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    2. ユニットバスのリフォーム費用

    ユニットバスのリフォームは、この2パターンがあり、それぞれで費用感が変わります。

    在来浴室からユニットバスへリフォームする場合

    ユニットバスから新しいユニットバスへリフォームする場合

    それぞれのパターンにおける見積もり例も紹介しますので、実際にいくらかかるのかを把握する手がかりにしてください。

    2-1.在来浴室からユニットバスへリフォームする費用

    在来浴室からユニットバスへリフォームする費用は、約60万~120万円です。

    ユニットバスへのリフォーム費用は、今のお風呂が在来浴室の場合以下の2つの要素次第で大きく変動します。

    完成形となるユニットバスのグレード

    下地補修の有無

    ユニットバスのグレードや下地補修の有無によるリフォーム費用の変動をまとめると、以下の通りになります。

    <在来浴室からユニットバスへのリフォーム費用の目安>

    グレード
    下地の補修
    なし
    あり
    ロー 約63~83万円 約68~98万円
    ミドル 約72~94万円 約77~109万円
    ハイ 約96~109万円 約101~124万円

    浴室リフォームの際に下地補修が必要な場合、5~15万円ほど追加費用がかかります。

    これは、在来浴室ではタイルのひび割れから水が浸入しやすく、浴室下の土台や洗面所の床が腐っているケースが多いためです。築年数が20年以上経っており、その間浴室のリフォームを行っていなければ下地補修は必須といえる程重要です。

    在来浴室の2~3割は下地補修の必要が生じています。追加工事の可能性があることも見込んで予算を組んでおきましょう。

    在来浴室からユニットバスにリフォームした見積もりの例

    見積もり要件

    現在は在来浴室

    ミドルグレードのユニットバスに交換

    築50年以上で壁などの腐食がひどく、大規模な下地補修を実施

     

    合計額は110万円程度(税抜)、そのうち工事費が65万円程度かかっています。

    在来浴室からユニットバスへのリフォームは、工事費が高額になる傾向があります。以下のような工事が必要になるためです。

    在来浴室の解体

    新しいユニットバスの組み立て

    それに伴う電気・給排水工事

    必要に応じて下地補修

    この見積り例のように、壁や床の腐食が進んでいて下地から作り直す必要がある場合は、工事費の合計が40~60万程度かかることも珍しくありません。商品代以外の費用もかかることを認識しておきましょう。

    2-2.ユニットバスから新しいユニットバスへリフォームする費用

    ユニットバスから新しいユニットバスへリフォームする費用は、約56万~130万円です。

    今のお風呂がユニットバスの場合、リフォーム費用はユニットバス本体の商品代とその工事費で構成されます。そして、次の2つの要素によって大きく変動します。

    新しいユニットバスのグレード

    新しいユニットバスの大きさ

    ユニットバスのグレードやサイズごとのリフォーム費用は、以下のようになります。

    <ユニットバスから新しいユニットバスへのリフォーム費用の目安>

    グレード
    サイズ
    0.75坪タイプ
    1.0坪タイプ
    1.25坪タイプ
    1.5坪タイプ
    ロー 約56~72万円 約61~76万円 約66~81万円 約76~91万円
    ミドル 約65~83万円 約70~87万円 約75~92万円 約85~102万円
    ハイ 約89~107万円 約94~112万円 約99~117万円 約109~127万円

    賃貸物件で多くみられるローグレードのユニットバスなら、リフォーム費用は60~70万円程度になります。一方、ミドルグレードのユニットバスなら70~80万円程、最上級のハイグレードを選べば100万円前後がかかると考えて予算を組みましょう。

    サイズはマンションであれば0.75坪タイプが大半で、戸建ては0.75坪か1.0坪タイプが多いです。大きすぎると浴室全体が冷えやすく、狭すぎても快適なお風呂になりませんのでサイズの検討は慎重に行いましょう。浴室の最適なサイズ選びについては5章で解説していますので、あわせて確認してください。

    ユニットバスから新しいユニットバスにリフォームした見積もりの例

    見積もり要件

    現在はローグレードのユニットバスを使用

    ミドルグレードのユニットバスに交換

    その他オプションはなし

    ユニットバスの本体価格は定価の40~60%引きになるのが一般的です。ミドルグレードのユニットバスは、定価が100万円前後なので、見積りで提示される商品代は40~60万円ほどになります。

    もとのお風呂がユニットバスの場合、リフォームでは以下のような工事が発生します。

    古いユニットバスの解体

    新しいユニットバスの組立て

    それに伴う電気・給排水工事

    脱衣所側の壁やドア枠を作り直す工事

    これらの工事費は、合計で25~35万円前後かかるのが相場です。

    元がユニットバスであると、解体工事の際に壁を壊す必要が出てくる場合があります。その時の補修のために、脱衣所の壁やドア枠を作りなおす工事が必要になります。ユニットバスからユニットバスへの交換の場合も、商品代以外の費用も予算に組み込んでおきましょう。