まとめ~新たな働き方や生き方を模索する機会に~
数年前に所得税や住民税を計算する際の所得控除である「配偶者控除制度」が大幅に改正されました。一定の所得以上の人は配偶者控除が縮小または廃止となりました。その際にも様々な案が検討され、今なお、配偶者控除自体を完全に廃止しようという意見もあります。
こういった税制改正は共働きを促すためのものでもあります。資格を持っている人や一定のキャリアのある人、能力の高い人などが結婚を機に扶養の範囲を意識して働かないことは日本経済や社会において決して良いことではないと考えられています。
社会保険も以前は「106万円の壁」はなく「130万円の壁」だけでしたが、2016年10月に従業員数が501人超の企業に対して「106万円の壁」ができ、そして今回紹介しましたように、その対象がどんどん広がっています。
日本は今、税金と社会保険の両面から扶養を外れて働くことを促しているような流れにあります。現在扶養内で働く方が「働きたいけれどセーブしている」ということであれば、このような流れを踏まえ、ぜひ積極的に働くことを検討してみてください。特に今は人手不足で悩んでいる企業も多いです。そんな企業の救世主になれるかもしれませんね。
働く比重を増やすと育児や家庭のことが気になるかもしれませんが、「扶養を外れること=育児や家庭が疎かになる」という訳ではないと思います。特に現在は在宅ワークを始め、様々な働き方や勤務形態があります。ぜひ少し視野を広げて、新たな働き方や生き方を前向きに検討してみてください。
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社会保険適用拡大に関するQ&A
Q:扶養を外れて働くと、夫が会社から支給されている配偶者手当はなくなるのでしょうか?
A:会社の給与制度次第です。配偶者手当の支給要件を税金や社会保険の扶養の範囲と一致させている会社が多いですが、そうではないケースもあります。ご主人の会社の制度を確認してみてください。
Q:子供が2人います。扶養を外れて正社員として働くことになった場合、子供のうち1人あるいは2人ともを私の扶養親族にすることは可能でしょうか?
A:税制上は可能です。例えば、夫が住宅ローン契約者で住宅ローン控除があり、税負担が限られているという場合など、妻が子供の扶養控除を適用するといった対応が考えられます。ただし、社会保険上は原則、年間収入の多い方または主として生計を維持する親が子供を扶養することになります。そのため、例えば夫が自営業で国民健康保険、妻が会社員で健康保険の場合において、子供をより有利な方に加入させるといったことはできません。