一括でまとめて購入VS積立でコツコツ購入
資産運用の大原則の1つが「長期投資」です。長期で運用することで投資信託が有する本来の収益率を得やすくなります。
例えばスポーツで考えてみてください。1試合だけの場合、運よく弱いチームが強いチームに勝つこともありそうです。ただし、50試合、100試合といったリーグ戦になるとやはりレベルの高いチームが上位となり優勝します。投資も同様で長期で行うからこそ、本来のリターン(実力)に近づくのです。
また、当初受け取った利息や配当をさらに原資として増やすことができる「複利効果」も長期でやる方が効果的です。そのような観点から見ると、今ある一時金をコツコツ少しずつ投資するより、一気に投資した方が長期投資の効果を得やすいと言えるでしょう。
一方、積立は少しずつお金を投じることになるため、先に紹介した長期投資の効果はやや弱くなります。ただし毎月少額ずつ投資をすることで、時間が分散される点はメリットになります。一時金をまとめて一度に投じ、その時点がかなり高値水準だった場合、その後じりじりと下がり続けて、長期間運用し続けても成果が冴えない、というシナリオも考えられるためです。
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一括と積立、ハイブリッドタイプでの運用も
株価ボードを見る女性
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Fさんは特に初心者でもあるため、一度に全額を投資した場合、短期的に大きく下落すると不安を感じ、投資をやめたいと思うかもしれません。これは初めて投資をする場合、よくあることです。しかし、せっかく長期でやろうと考えて始めたのに、道半ばで止めるのはもったいないですよね。
よって、例えば100万円のうち50~60万円を成長投資枠の中から長期投資に適したファンド等を選び一括で投資し、残りの金額を使って月3~4万円程度、つみたて投資枠での積立を行うのも良さそうです。
つみたて投資枠で購入できるファンドを成長投資枠で買うこともできます。つまり、「ハイブリットタイプ」のメリットは、一括で購入分と積立分を同じファンドにすることもできるため、その後しばらく下落基調が続き、一括で投資した分(成長投資枠)が含み損の状況となっても、積立分は下がった分、多くの口数を購入できる点です。